2012 Fiscal Year Annual Research Report
神経幹前駆細胞の運命決定に対する動的な調節機構の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Neural Diversity and Neocortical Organization |
Project/Area Number |
23123518
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
廣瀬 智威 横浜市立大学, 医学部, 助教 (20381668)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 神経幹細胞 / 細胞極性 / PAR3 / 大脳形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
大脳形成の初期過程では、神経幹細胞増幅期から神経産生期への分化過程制御は最終的な神経細胞数を規定する重要な転換点である。この細胞増殖期から細胞分化期への転換には神経幹前駆細胞の自己複製から神経分化への運命決定調節機構の転換が必要であるが、その分子機構は十分に解明されてきていない。そこで私は、無脊椎動物の各種細胞における非対称分裂を通した運命調節因子のホモログであるPAR3に注目して解析を進めてきた。その結果、終脳特異的PAR3欠損マウス胚の解析により、神経幹前駆細胞の自己複製の制限や神経への分化促進においてPAR3の機能が必要であることを見出した。更にその分子機構の探索を進めたところ、神経幹前駆細胞の運命決定において重要であることが示されている幾つかの転写調節因子や増殖・分化関連分子において発現分布や発現量の異常を確認できた。これは、PAR3が神経幹前駆細胞の運命決定において転写調節因子などを介したシグナリングの動的制御に関与する可能性を示唆するものと考えられる。
上記のシグナリングのうち神経幹前駆細胞の自己複製に必要なものの一つについて、終脳特異的PAR3欠損マウスからの神経幹細胞の初代培養実験系などを用いて解析を進めた結果、このシグナリングで中心的な役割を果たす受容体の活性調節とPAR3が機能的相互作用を持つことを見出した。
以上の結果は、これまで未知の点が多く残されていた哺乳類の大脳形成の初期過程における神経幹前駆細胞の運命決定機構の一端を明らかにしただけでなく、細胞運命調節因子と細胞増殖制御機構との具体的な機能的相互作用を示唆する結果と考えられる。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Spatial regulation of VEGF receptor endocytosis in angiogenesis.2013
Author(s)
Nakayama M, Nakayama A, van Lessen M, Yamamoto H, Hoffmann S, Drexler HC, Itoh N, Hirose T, Breier G, Vestweber D, Cooper JA, Ohno S, Kaibuchi K, Adams RH.
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Journal Title
Nat Cell Biol.
Volume: 15(3)
Pages: 249-260
DOI
Peer Reviewed
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