2012 Fiscal Year Annual Research Report
大脳新皮質層構造の形成と維持におけるリーリン機能の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Neural Diversity and Neocortical Organization |
Project/Area Number |
23123519
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
服部 光治 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (60272481)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 脳 / 大脳皮質 / リン酸化 / リーリン / 神経発生 / リーリン / モノクローナル抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
大脳皮質には機能・構造が類似した神経細胞からなる層構造があり、リーリンはその形成に必須の巨大分泌タンパク質(分子量430kDa)である。しかし、①発生時期に依存した機能の有無、②細胞外における挙動や寿命制御機構の有無、に関しては、研究手法やツールが限定されていたためほぼ手つかずのまま未解明であった。 リーリンのC末端領域(CTR)を欠損したノックインマウスでは胎生期における脳形成は正常だが、生後において神経細胞の樹状突起が異常になり、層構造も破綻することを発見した。このことは、CTRに依存したリーリンの機能は、生後脳の回路網維持に必要であるという新規概念を示唆している。またこの研究の過程で、リーリンはCTR内で分解を受けることを見出した。そしてこの分解を担うプロテアーゼと分解部位を同定し、非分解型のみを認識するモノクローナル抗体も樹立した。その結果、CTR内分解を受けていないリーリンはリーリン産生細胞のごく近傍にのみ存在することがわかった。さらには、CTR内分解を受けていないリーリンだけに結合する膜タンパク質の同定にも成功した。この膜タンパク質はリーリン受容体と複合体を形成しており、リーリンとリーリン受容体の結合に関与していた。以上を総合すると、CTR内分解を受けていないリーリンはリーリン産生細胞近傍(再表層)にのみ存在し、特定の膜タンパク質とリーリン受容体複合体に結合することにより未知のシグナル経路を調整し、これが神経細胞の移動終了と突起形成を調節する可能性が強く示唆された。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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