2011 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚繊維芽細胞が多分化能を獲得する分子メカニズムの解明
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular mechanisms underlying reconstruction of 3D structers during regeneration |
Project/Area Number |
23124508
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐藤 伸 岡山大学, 異分野融先端研究コア, 准教授 (90512004)
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Keywords | 四肢再生 / 有尾両生類 / FGF / MMP / 脱分化 / BMP / 過剰肢付加モデル |
Research Abstract |
有尾両生類の四肢再生時に起こる脱分化メカニズムの探索を目的にする。具体的には他研究等(当研究室のほかのプロジェクト)で明らかになった分子メカニズムをより詳細に追及してゆくという体制をとる。これまで、遺伝子解析には不向きとされてきた有尾両生類であるが、本研究はその欠点を改善すべく遺伝子強制発現系としてレンチウイルスの使用を検討した。結果、レンチウイルスは見事に感染しうることが示され、強制発現系として有用であることが示された。今後は、レンチウイルスを用いて脱分化メカニズムに迫れるものと思われる。脱分化メカニズムに関してはFGFとMMPの活性を中心に一定の進展を見たが、ここで詳細を述べるのは欄スペースが限られるために次年度報告に回すことにしたい。副産物として、BMPによる基部側の再生促進効果というものを得つつある。両生類の再生には脱分化を基幹とする「先端部再生」と脱分化に依存しない「基部側再生」の二種類があることは我々の研究成果で明らかになっている。その基部側再生に関して重大な結果を得ることができつつある。この基部側再生は組織学的な観察結果から高等脊椎動物に観察される「骨の修復過程」と類似性が多く、高等脊椎動物への応用を考えたときに適用しやすいことが予想できる。この基部側再生に関して、「一方方向からの、恒常的なBMPの供給」によって修復軟骨が「引っ張られている」という事実を明らかにした。これは、現在のテクノロジーをもってしても比較的簡易に応用化できる。すでに、他研究機関を連携し、高等脊椎動物への応用を試みつつある状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画書にある内容はほぼクリアしている。また、副産物もみつかり、之も面白い方向で話が出来つつある。論文執筆も行い始めており、順調以上の進展であると自己評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
問題恬として思いつくものは少ないが、再生研究の規模が大きくなるにしたがって割り当て内の予算では手が回りきらなくなってきている側面があるのは小さな問題点であると思う。また、研究機関が二年であるため、技術支援者が技術の成熟したころに抜けてしまうという悪循環を抜け出せないでいる。
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Research Products
(2 results)