2012 Fiscal Year Annual Research Report
大規模遺伝子発現データに基づく四肢再生過程の数理モデル構築
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular mechanisms underlying reconstruction of 3D structers during regeneration |
Project/Area Number |
23124510
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
森下 喜弘 独立行政法人理化学研究所, 発生幾何研究ユニット, 研究ユニットリーダー (00404062)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 組織変形ダイナミクス / 空間情報コーディング / 数理モデル / 最適デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
イモリやアフリカツメガエル等で観察される四肢再生現象を理解するための比較対象として、ニワトリ四肢の正常発生現象において、組織変形と細胞の空間認識メカニズムの定量解析を行った。四肢の形態形成過程で問題となるのは主に2点あり、(i)なぜ組織が方向性を持って伸長するのか、(ii)四肢に特徴的な形状はどう決まるのか、である。この問題を解決するために、組織変形の幾何学的解析と形態形成過程のシミュレーションを組み合わせることで、(i)と(ii)ともに組織の局所的な変形異方性の空間制御が重要であることがわかった。他方で、発生ステージごとに体積増加率の特徴的な空間パタンが見られたが、これらは組織のサイズを規定するには重要であるが、形態特徴量への反映は小さいことがわかった(結果は論文にまとめ、現時点では投稿中である)。組織変形写像が得られたので、異なる骨形成領域の系譜追跡が可能となり、各系譜ごとにマイクロアレイを用いた大規模遺伝子発現解析を行った。領域ごとに異なる遺伝子群が異なるタイミングで変動してくる傾向はつかめたが、より詳細な個々の遺伝子に関する解析は今後の課題として残った。 他方で、発生組織内における細胞の空間認識メカニズムに関して、モルフォゲンの濃度勾配による位置情報コーディング過程を数学的に定式化し、理論上最適なコーディングを導出し、論文として報告した。理論上最適なコーディング方法は、実際の現象を解析する際に、生物が進化の過程でどういう意味でどの程度最適性を実現しているかを解明する上で重要な基準を与えるため、空間認識問題を考える上で非常に重要な役割を果たすと考える。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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