2011 Fiscal Year Annual Research Report
転写ファクトリーが引き起こす染色体動態解析法の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Systematic study of chromosome adaptation |
Project/Area Number |
23125503
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
和田 洋一郎 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任准教授 (10322033)
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Keywords | RNAポリメレース / TNFα / ヒストン修飾 / 内皮細胞 |
Research Abstract |
刺激によって活性化された遺伝子が、組織化されたRNAポリメレースII(Pol II)を含む転写ファクトリーに動員される際、複数の遺伝子群が同じファクトリーにとりこまれるため、組織化されたPol IIを介した染色体構造変化がおこると考えられる。従来クロマチン相互作用はChromatin Conformation Capture,(3C)によって個別の二点でのみ解析することが可能であったが、我々はこのようなクロマチン構造の変化を明らかにするため、circular Activated Chromosome Trap(ACT)-seqを開発し、特定の遺伝子と相互作用する部位を全ゲノム的に同定することが可能になった。さらに、全ゲノム上でのクロマチン相互作用を観察する手法として、chromatin interaction analysis using paired-end tag sequencing(ChIA-PET)を試み、炎症性刺激をうけた内皮細胞において、Pol IIを介した染色体間相互作用を網羅的に同定することができた。この方法によって、刺激を受けた内皮細胞で経時的にクロマチン相互作用が変化刷る様子を観察し、また、エピゲノム修飾に対して介入することによって、このようなクロマチン構造変化が影響されることを明らかにした。しかしながら、本法は大量の免疫沈降産物を必要とすること、20塩基の配列を使ってゲノム上に配列を同定することから特異性に改善の余地があることから、本年度は、Mme Iに代わってEcoP15という制限酵素を用いた方法の開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では染色体解析手法としてのクロマチン相互作用解析の達成と改良を主眼とするが、初年度は内皮細胞におけるChIA-PETに成功し、再現性良く全ゲノム上での相互作用を記述することができた。次年度はこのデータに基づいて手法の改良を進める予定であることから、おおむね順調に進捗していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究次年度はクロマチン相互作用解析に使われる20塩基のタグを、25塩基以上に延長することによって、特異的な配列同定を実現し、とりわけ観察が困難であった染色体間相互作用を詳細に観察する予定である。このような改良のため、従来使用している制限酵素の変更や、使用する超高速シーケンサーの変更が必要と考えられることから、慎重な検討が必要である。
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Research Products
(7 results)