2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規機能的染色体の機能獲得機構
Publicly Offered Research
Project Area | Systematic study of chromosome adaptation |
Project/Area Number |
23125504
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
寺井 洋平 東京工業大学, 生命理工学研究科, 研究員 (30432016)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | B染色体 / 新規機能獲得 / 性決定 / 適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
B染色体は核内に余剰に存在する染色体で、多くの動植物に存在するがB染色体内の完全長の遺伝子や遺伝子発現の報告はない。最近我々はシクリッドにおいて、保有個体をメス化させるB染色体を発見した。本研究ではB染色体が保有個体をメス化させる機構を調べ、なぜメス化させるのかを考察した。 始めにB」染色体の間期核での動態を調べた。3D-FISH解析により、成体ではB染色体が核膜付近でヘテロクロマチン化し遺伝子発現がないと考えられた。次にオス(Bなし)とメス(Bあり)のゲノム解析により、4MbのB染色体配列を特定した。この配列上の遺伝子は1つを除いてすべて断片化した部分配列であったが、完全長(6kb)が推定で14コピー存在するV遺伝子が見出された。このV遺伝子の発現について調べると、孵化後1, 3, 6日目の稚魚において、B染色体由来のV遺伝子が発現しており、脳の下部と推定される部位での発現が強かった。また、メス化を起こさないB染色体を持つ種ではV遺伝子の発現が弱く、この発現量の差がメス化に影響していると予想された。これらの結果とV遺伝子による性ホルモンの調節の報告、シクリッドを孵化後に性ホルモンで処理すると全個体がメス化する報告から、B染色体上のV遺伝子が孵化後に発現し、性ホルモンの調節を乱しメス化を引き起こしていると考えられた。またそれは保有個体をメス化させることで、減数分裂期のドライブにより次世代に効率よく自身のコピーを遺伝させるためと考えている。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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