2012 Fiscal Year Annual Research Report
テロメア消失ストレスによる染色体適応に関係する新規蛋白質の探索とその機能解析
Publicly Offered Research
Project Area | Systematic study of chromosome adaptation |
Project/Area Number |
23125510
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
上野 勝 広島大学, 先端物質科学研究科, 准教授 (90293597)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | テロメア / 環状染色体 / Pot1 / RecQヘリケース |
Outline of Annual Research Achievements |
真核生物は線状染色体であるが、突然変異などで環状染色体が形成されることがある。この環状染色体は酵母から人まで広く見つかっている。特に環状染色体を持ったヒトは、精神発達の遅れなどの遺伝病を引き起こしたり、環状染色体を失うことでがんになりやすいことなどがわかっている。しかしヒト環状染色体がなぜ不安定なのかはわかっていない。分裂酵母pot1 rqh1二重破壊株が合成致死になることは報告されているが、その原因はわかっていなかった。pot1破壊株は環状染色体を持つこととから、Rqh1は環状染色体の維持に必要ではないかという仮説をたて、その検証を試みた。まず環状染色体をもつpot1破壊株のRqh1の発現を低下させると染色体分配異常の頻度が上昇することを発見した。また、pot1 rqh1二重破壊株の合成致死は、相同組換え時のクロスオーバーの頻度を減少させる遺伝子変異によって抑圧されることを発見した。環状ゲノムを持つ大腸菌は相同組換え時のクロスオーバーによって、環状ダイマーが形成され、染色体分配が異常になることがわかっている。これらのことを総合すると、Rqh1は環状染色体ダイマーの形成を抑制することで、環状染色体の安定な維持に貢献していることが示唆された。この研究結果を応用すると、ヒト環状染色体を持つ患者のクロスオーバーを抑制することができれば、環状染色体を失いにくくなることで、がんになりにくくすることができる可能性が示唆された。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)