2011 Fiscal Year Annual Research Report
新型シーケンサーを用いた細菌における自然環境でのゲノムアダプテーション解析法
Publicly Offered Research
Project Area | Systematic study of chromosome adaptation |
Project/Area Number |
23125511
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
小椋 義俊 宮崎大学, フロンティア科学実験総合センター, 助教 (40363585)
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Keywords | 病原性大腸菌 / 結核菌 / 新型シーケンサー / ゲノム / 進化 |
Research Abstract |
本研究では、疫学・臨床情報が完備された病原性大腸菌O26と結核菌をモデルとして、新型シーケンサーを用いた大規模配列解析による高解像度進化系統解析を行い、病原細菌における自然環境下でのgenome adaptationの解析手法の確立を目指す。 今年度は、大腸菌O26の菌株収集とゲノムDNA調整を中心に行った。申請段階では、2004年の国内分離株24株と海外分離株70株を所有していたが、富山県の衛生研究所の協力で1998年から2011年までの国内分離株を73株追加収集した。近日中に、宮崎県、福岡県、大阪府の衛生研究所の協力を受けてさらに200株程度を取集できる予定である。いずれの菌株も分離年と分離場所に関する情報が整備されている。海外分離株については、ベルギーLiege大学獣医学部のJacques Mainil教授に、ヨーロッパを中心として最近分離された20株程度の収集を依頼している。また、当初の計画には無かったが、牛糞便由来の大腸菌O26についても、コントロールとして、複数の株を動物衛生研究所の楠本正博博士の協力を得て収集を進めている。収集した菌株については、随時ゲノムDNAを抽出し、志賀毒素の有無とタイピングを実施している。 結核菌については、大阪府立呼吸器・アレルギー医療センターの松本智成博士(感染症センター・センター長(臨床研究部・部長兼任))が保有する200株以上の菌株集を使用する予定なので、さらなる追加収集は行わない。対象株について、半年前から培養をスタートしており、ようやくDNAが抽出できる段階まできている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定より解析対象菌株を増やしたため、菌株収集に時間を要している。また、新型シーケンサーのライブラリー調整に使用する予定であった試薬(Nextra DNA sample Prep Kit)を販売していたEpicentre社がillumina社に買収され、illumina社からの本キットの発売が大きく遅れたため、新型シーケンサーのサンプル謂整もそれに伴って遅れている。近日入荷する予定なので、入り次第サンプル調整を行い、シーケンシングを開始する。
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Strategy for Future Research Activity |
大腸菌026株の解析対象菌株を増やした事以外は、特に大きな変更はない。解析菌株数の増加に対応するために、各解析にかかる費用をできる限り削減するように努める。具体的な1例として、Nexteraによる新型シーケンサーのライブラリー調整を、通常の半量スケールで行い、コストダウンを計る予定である。また、新型シーケンサーのデータ解析については、現在、他のサンプルのデータを使って解析を進めており、解析パイプラインはほぼ完成しており、シーケンシングが終われば、直ちに系統解析を行える準備が整っている。新型シーケンサーの試薬が入荷次第、シーケンシングを行い、全ゲノムに基づいた系統解析、メタ情報との統合解析を遂行する。
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Research Products
(18 results)