2011 Fiscal Year Annual Research Report
動原体配列の違いが染色体構造の進化に及ぼす影響
Publicly Offered Research
Project Area | Systematic study of chromosome adaptation |
Project/Area Number |
23125513
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
河邊 昭 京都産業大学, 総合生命科学部, 准教授 (10582405)
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Keywords | 動原体 / Arabidopsis / 進化 |
Research Abstract |
初年度では予定していた植物材料の取得を進め、新たに3か所から採集をおこなった。それらの系統を加え、すでに育成中の個体も用いて次年度以降に染色体の分離を調査するためのF1個体の作出のための交配をおこなった。開花が同時期に見られた個体を用いて、複数の組み合わせで交配をおこなったところ、受粉はするが種子の成熟が進まないものや順逆交配ができないものなどがみられたが、6種類の亜種内、亜種間の交配によるF1個体が得られた。 得られたF1種子を播種し、F1個体を一つの交配組み合わせごとに4個体以上を育成し、次年度の交配の材料として準備中である。年度末からいくつかの個体は開花がみられ、親系統や別の系統の開花に合わせ交配が可能な状態になっている。 また、染色体の分離を調査するための遺伝子マーカーの作成をおこなった。それぞれの個体の動原体構成の違いにかかわらず8本の染色体の動原体近傍領域に交配に用いた個体を識別できる遺伝的変異を特定した。一部の染色体に関してはさらなる調査が必要であるがほぼすべての染色体を区別できる状態になり、次年度の調査が可能な状態とした。 また本研究課題の対象である動原体領域のダイナミックな変化に関係する可能性がある転移因子の調査をおこない、動原体領域に特異的に挿入することを明らかにした。この現象がどれだけ一般的なのか、動原体の進化にかかわる可能性があるのかについて今後解析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
植物材料の育成の遅れから交配を優先したために、初年度に実施予定だったFISH分析のための試料(開花前の蕾)が準備できず2年目に持ち越した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の実施に必要な植物材料と調査のための情報は初年度にほぼ準備が終わっている。当初の予定通り染色体の分離比を調査し、研究課題で設定した疑問についての回答が得られると期待する。ただ、植物のさらなる育成と増殖をおこなうことで調査数を増やし、研究結果の信頼性を上げるための準備を進めていく予定である。 また、異なる系統を用いることによる利点を増すために、初年度に引き続きさらなる地域での採集をおこなう予定である。
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Research Products
(5 results)