2011 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内エネルギーセンサー分子による食欲、エネルギー代謝調節機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Basis and Disorders of Control of Apetite and Fat Accumulation |
Project/Area Number |
23126503
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
北村 忠弘 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (20447262)
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Keywords | 視床下部 / Fox01 / Sirt1 / 肥満 |
Research Abstract |
Rosa26座位へのflox-stop-floxカセットとFoxO1あるいはSirt1のcDNAを挿入したノックインマウスを作成し、それらをPomc-creマウス、Agrp-creマウス、あるいはPdx1-creマウスと交配して視床下部ニューロンに特異的にFoxO1やSirt1を発現するノックインマウスを作製した。Pdx1-creマウスを用いたマウスでは組織免疫染色とウエスタンブロット法を用いて、脳の中では視床下部に、末梢では膵臓のみに特異的にFoxO1が過剰発現していることを確認した。一方、Pomc-creマウスでは視床下部の弓状核の他に下垂体や延髄の孤束核に発現が見られた。Agrp-creマウスは弓状核に特異的な発現パターンであった。これらのマウスの表現型を摂食とエネルギー消費の両方に着目して解析中であり、興味深い結果が得られつつある。今後、これらの成果をもとにFoxO1とSirt1の視床下部における生理的役割を明らかにする。また、アデノウイルスを用いた系では、Sirt1のアデノウイルス自体では摂食量や体重、エネルギー消費に影響は認められなかったが、FoxO1のアデノウイルスで摂食量が増加し、体重が有意に増加しているものが、同時に投与したSirt1のアデノウイルスにより抑制され、摂食量と体重がコントロールと同じ程度に回復していた。アデノウイルスでは標的タンパク質の発現が1週間程度しか継続せず、長期的なフォローアップが困難であったため、その後の解析は遺伝子改変マウスで行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アデノウイルスを用いた解析はタンパクの発現継続の問題が生じたが、その分遺伝子改変マウスを用いた解析を中心に行い、予定していたマウスの作成に成功している。今後、これらのマウスの表現型を解析する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は作成した遺伝子改変マウスの摂食量、エネルギー消費量、体重等を経時的に観察し、中枢と末梢のエネルギー関連臓器をサンプリングして遺伝子レベルとタンパクレベルで分子機構を解明して行く予定である。
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Research Products
(1 results)