2012 Fiscal Year Annual Research Report
新規ジンクフィンガー型転写抑制因子による脂肪細胞分化・脂肪蓄積の制御機構の解析
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Basis and Disorders of Control of Apetite and Fat Accumulation |
Project/Area Number |
23126505
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 順 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (70323962)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 脂肪細胞 / 分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
Bcl11bノックアウトマウスを出生直後に観察すると、肩甲骨周囲の白色脂肪組織の顕著な萎縮が観察されることから、Bcl11bが脂肪細胞分化を制御している可能性が考えられる。本研究では、Bcl11bによる脂肪細胞分化制御機構の解明を目的とした。 マウスの脂肪組織におけるBcl11bの発現をリアルタイムPCRおよびウエスタンブロッティングによって確認することができた。Bcl11bは胸腺T細胞では細胞質に、ケラチノサイトでは核に局在することが知られている。そこで脂肪細胞におけるBcl11bの細胞内局在を検討したところ、主に核に局在することが示された。次に脂肪細胞への分化能を有する3T3-L1細胞を脂肪細胞へと分化させ、Bcl11bの発現レベルについてmRNAおよびタンパク質レベルで解析を行った。その結果、分化後1~2日で一過的に発現が上昇することが明らかになった。ウイルスベクターを用いてBcl11b発現をノックダウンしたところ、脂肪細胞への分化能の抑制と共に脂肪細胞分化のマスターレギュレーターであるPPARγの発現低下が観察された。その抑制機構の解明のため、PPARγ発現を制御することが知られている転写因子の活性にBcl11bが関与するかどうかをレポーターアッセイにより検討した。その結果、Bcl11bはC/EBPαおよびC/EBPβの活性を促進することが明らかとなった。 脂肪細胞特異的Bcl11bトランスジェニックマウスを作製した。aP2プロモーターを用いた。現時点で9頭のファウンダーマウスの入手に成功している。 Bcl11bヘテロ欠損マウスへの高脂肪食負荷実験を行った。ヘテロマウスでは高脂肪食摂取による体重増加が低下し、脂肪組織重量が低下すると共に、脂肪肝の発症も抑制されていた。これらの結果より、Bcl11bが脂肪組織への脂肪蓄積に関与していることが明らかになった。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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