2011 Fiscal Year Annual Research Report
グレリン細胞内遺伝子発現プロファイルの解析
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Basis and Disorders of Control of Apetite and Fat Accumulation |
Project/Area Number |
23126510
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岩倉 浩 京都大学, 医学研究科, 准教授 (20378615)
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Keywords | グレリン / 細胞株 / 遺伝子プロファイル |
Research Abstract |
これまでの研究で、我々が世界で初めて樹立したグレリン分泌細胞株MGN3-1細胞の遺伝子発現プロファイルを、Affimetrixのmouse gene1.0 ST arrayを用いて、28820個の遺伝子について決定した。このとき、対照細胞として、膵β細胞株であるMIN6細胞、および膵α細胞株であるαTC細胞を対照細胞として使用した。これは、膵β細胞は、他の細胞と比較して、糖尿病研究の重要な研究対象であることから細胞の性状の解明が進んでいるため、β細胞を基準としたグレリン細胞の特徴付けが可能となると考えたこと、また、膵α細胞は、グレリン細胞との類似性が指摘されているため、これら二つの細胞を比較対象として選択した。遺伝子プロファイル解析の結果、MGN3-1細胞で、MIN6細胞およびαTC細胞よりも遺伝子発現が、2倍以上高い遺伝子が309個、10倍以上高い遺伝子が89個同定できた。10倍以上高い遺伝子の中での内訳としては、シグナル関連分子、細胞接着分子、酵素、機能不明、分泌蛋白、膜蛋白、受容体といった順であった。さらに、遺伝子を(1)受容体、(2)転写因子、(3)チャンネル、キャリア蛋白、(4)シグナル蛋白、(5)代謝関連遺伝子といった機能別に分類し、raw valueによる発現量、また細胞間の発現比較を行った。一部の注目する遺伝子に関しては、定量PCRで発現を検討し、マイクロアレイの結果とほぼ一致することを確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、対照細胞の入手、マイクロアレイの実施、遺伝子発現ブロファイルの解析が順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、グレリン細胞で特に発現が高い遺伝子、もしくは低い遺伝子に関して、特に、受容体、転写因子、代謝関連遺伝子、チャンネル、キャリア蛋白、シグナル蛋白などに注目しながら、グレリン細胞での機能解析を行う。
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