2011 Fiscal Year Annual Research Report
アドレノメデュリンの脂肪組織における病態生理学的意義の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Basis and Disorders of Control of Apetite and Fat Accumulation |
Project/Area Number |
23126511
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
錦見 俊雄 京都大学, 医学研究科, 准教授 (80291946)
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Keywords | 脂肪細胞 / アドレノメデュリン / 肥満 / ノックアウトマウス / 脂質代謝 / 糖代謝 |
Research Abstract |
申請者はアドレノメデュリン(以下AM)の発見以来、AMの意義について臨床的・基礎的両面から研究を進めてきた。AMはヒト脂肪組織にも高発現し、冠動脈疾患群では心外膜周囲の脂肪組織のAM発現は亢進し、培養系では、lipolysis作用、ブドウ糖取り込み作用を有する事を示した。本申請研究では、脂肪組織におけるAMの意義をさらに明らかにするために、脂肪細胞特異的AM欠損マウスを樹立し、このマウスを用いて詳細に検討することで、脂肪由来のAMの糖代謝・脂質代謝における意義を解明し、さらに脂肪由来のAMのリンパ管新生作用なども合わせて検討し、脂肪組織でおこる慢性炎症細胞のドレナージとしてのAM/リンパ管系の新しい意義も探る予定である。本年度は脂肪細胞特異的AM遺伝子ノックアウトマウスの作製を試みた。AMの遺伝子は4つのexonからなり、第2exonにPAMPが、第4exonにAMがコードされている。AMノックアウトマウスは、ホモは胎生致死であり、実験に用いることが出来ない。そこで脂肪細胞特異的なコンディショナルノックアウトマウスの作製を行い、生体でのAMの役割を明らかにすることを目的とした。本年度は連携研究者の桑原と共にAM fIoxedマウスの作製に成功し、homozygous floxed AMマウスの作成にも成功した。交配も順調に行うことが出来、この系のマウスの維持も出来た。脂肪細胞に特異的に発現するaP2をプロモーターに用いて脂肪細胞に特異的に過剰発現したCreマウスとの交配により、AMを脂肪細胞で特異的に欠損したマウスを作製する予定でこのマウスの樹立にも時間がかかったが成功し、homozygous floxed AMマウスとの交配を行っているところである。予備的研究ではあるが、予想外に生まれるマウスの仔の数が少なかった。次年度、詳細に検討予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本申請研究の主要な研究テーマは脂肪細胞特異的なAMノックアウトマウスの作成による脂質代謝、糖代謝のへの影響の解析である。そのため、まずAM Floxマウスの作成が必須であったが、時間がかかったが成功した。ホモにしても交配はでき、外見上のフェノタイプも変わりがない。aP2をプロモーターに脂肪細胞に特異的に発現するCre過剰発現マウスも現在誕生し、ホモAMFIoxマウスとの掛け合わせを行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
まだ掛け合わせを開始し時間がたっていないが、誕生した仔数も少ないが、仔数が少ない傾向を認め、今後注意してみていく予定である。今後は出来るだけ脂肪細胞特異的AMノックアウトマウスを増やして、種々の解析を行う予定である。脂肪細胞特異的にAMをノックアウトされたマウスのフェノタイプを通常食でまず解析し、体重、脂肪量、血中のT-Cho、TG、FFA、血糖値、インスリン値、インスリン抵抗性、組織学的検討(脂肪細胞のサイズなど)、免疫組織学的検討(浸潤する細胞T細胞、マクロファージの同定など)、脂肪組織におけるにおける各種遺伝子発現(PEPCK,AP2,Glut4,LPL,adiponectin,leptin)などを測定し野生型と比較検討予定である。さらに高脂肪食負荷を行い、その時の変化をAM Floxマウスと比較予定である。
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Research Products
(9 results)