2011 Fiscal Year Annual Research Report
核小体因子SIRT7による脂質蓄積制御機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Basis and Disorders of Control of Apetite and Fat Accumulation |
Project/Area Number |
23126521
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山縣 和也 熊本大学, 大学院・生命科学研究部, 教授 (70324770)
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Keywords | 肝臓 / 脂質 / SIRT / 代謝 |
Research Abstract |
Sirtuinは進化的に保存されたNAD依存性デアセチラーゼ又はADPリボシルトランスフェラーゼであり、哺乳類においては7種類のファミリー蛋白質(SIRT1-7)が存在している。核に存在するSIRT1、SIRT6およびミトコンドリアに局在するSIRT3、SIRT4についてはその活性亢進により糖脂質代謝が改善することが報告されている。 一方、核小体に局在することが報告されているSIRT7は、リボソームRNAの転写に関与していることが報告されているが(Ford E. Genes Dev 2006)、代謝との関連については全く不明である。H23年度において、研究代表者はSIRT7ノックアウトマウスの解析を行った。ノックアウトマウスおよびコントロールマウスに高脂肪食を負荷し、組織学的検討を行ったところ、摂食量に差を認めないにも関わらず、ノックアウトマウス肝における脂肪蓄積の抑制が認められた。肝臓内脂質を抽出し中性脂肪含量を測定したところ、有意な抑制が確認された。一方、骨格筋における脂肪含量には変化が認められなかった。以上の結果から、SIRT7のノックアウトにより、高脂肪食負荷に対する肝臓内脂肪蓄積が選択的に抑制されることが判明した。SIRT7ノックアウトマウスとコントロールマウスの肝臓において発現している遺伝子の発現について検討したところ、ノックアウトマウス肝における脂肪酸トランスポーターであるCd36の発現が低下していることが明らかになった。Cd36の発現低下がSIRT7ノックアウトマウスの表現型に関与している可能性が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究により、in vivoにおけるSIRT7の役割が判明し、また、その表現型にCd36の発現変化が関与している事実も明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
ノックアウトマウスのより詳細な解析を行うと共に、培養細胞なども使用し、SIRT7による脂肪蓄積制御の分子機構を解明する。
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