2012 Fiscal Year Annual Research Report
器官情報と細胞極性を繋ぐ機構の数理モデル解析
Publicly Offered Research
Project Area | From molecules, cells to organs : trans-hierarchical logic for higher-order pattern and structures |
Project/Area Number |
23127502
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
山崎 正和 秋田大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (40373378)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 遺伝学 / 細胞・組織 / 発生・分化 / 平面内細胞極性 / PCP |
Outline of Annual Research Achievements |
組織を構成する細胞は、組織全体におよぶ位置情報を読み取ることにより、ある特定の軸に沿って極性化することが知られている。この現象は平面内細胞極性(planar cell polarity, PCP)と呼ばれ、上皮細胞の頂底軸(apico-basal軸)に直交する極性として定義される。ショウジョウバエの翅などを用いた研究から、PCPが形成される際、位置情報である非典型的カドヘリン分子Dachsous (Ds) の発現の濃度勾配が作られ、この情報に従って7回膜貫通型受容体Frizzled (Fz) などの偏在化が起きると考えられている。しかしながら、ショウジョウバエの翅と複眼でDsの濃度勾配とFzの非対称局在の関係が異なっており、PCP形成時における「器官の位置情報」と「個々の細胞の極性」を繋ぐ分子機構には不明な点が多い。 これまでに我々は、PCP分子の一つであるSpiny-legs(Sple)が上述の謎を解く鍵となることを見出している。また、過剰発現系を利用したスクリーニングにより、Sple過剰発現によるPCP異常(翅毛の配向性の逆転)を抑圧する複数の遺伝子を同定している。本年度、その内の一つであるSpleアイソフォームのPrickle(Pk)に着目して研究を進めた。ショウジョウバエ翅と複眼におけるPkおよびSpleの発現量を定量的RT-PCR法により解析したところ、両遺伝子の発現比が翅と複眼で大きく異なることが明らかとなった。また、PkとSpleが異なる細胞内局在を示し、ホモまたはヘテロ複合体を形成することを明らかにした。PkとSpleの発現量、細胞内局在および複合体に関する実験結果を昨年度構築した数理モデル(北海道大学電子科学研究所の秋山正和博士と共同研究)に取り入れ、PCPのシミュレーションを行ったところ、翅型および複眼型のPCPを再現することに成功した。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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