2012 Fiscal Year Annual Research Report
肢芽をモデルとした細胞集団から形態形成をつなぐロジックの解明
Publicly Offered Research
Project Area | From molecules, cells to organs : trans-hierarchical logic for higher-order pattern and structures |
Project/Area Number |
23127504
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 孝幸 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (40451629)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 階層 / 器官 / 組織 / 発生 / 定量 / シミュレーション / 統計 / ニワトリ |
Outline of Annual Research Achievements |
発生生物学の究極の課題の一つは何故私たちの体がこのような形をしているのか、というマクロな形作りのメカニズムを解明することである。 近年の顕微鏡技術の進展により、1細胞レベルで組織の一部の細胞挙動を長期間追跡することが可能になって来た。しかしながら器官全体の形を理解する方法は未だにない。この原因は多くの脊椎動物の器官がそうであるように細胞数が多い事と、組織に厚みがあるからである。これまでの研究では上皮組織などの細胞が単層構造である組織の一部の形の変化が研究されて来た。今後は本研究領域であるミクロな細胞レベルからどのようにしてマクロな形態が構築されて行くのかを解析する新たな方法論の開発が必要である。 そこで本研究では、組織レベルから器官全体(数百万細胞からなる巨大な器官)の形を理解するための新しい解析量を提案した。具体的な方法として、まずあえて1細胞レベルの細胞の挙動の計測を無視し、数十個単位の組織を多点でラベルした。その後、単位時間当たりのラベルされた組織間の形の変形と細胞増殖率を計算した。その結果を元に次に、“変形の異方性”という組織がどれだけ単位時間当たりに偏った変形をするのかという量を計算した。この特徴量は、どのようにして器官全体のうちの各組織がバイアスして変形しているのかが分かるので、器官全体の形が出来上がる仕組みを定量的に、さらには視覚的に理解する事ができる。これは例えて言うと、これまでの木を見て森を見ず、という解析から森全体の形を見てから木を見ようというアイディアである。このように本研究の結果から、組織から器官全体の形を議論出来る新しい方法論を構築することが出来た。 本解析方法は、今後再生医療の現場などで、どのようにして再生臓器を正確に試験管内で構築して行くのかを考える時の基礎データとなることが期待される。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)