2012 Fiscal Year Annual Research Report
カイメンの秩序だった骨片形成を可能にしているメカニズムの解明
Publicly Offered Research
Project Area | From molecules, cells to organs : trans-hierarchical logic for higher-order pattern and structures |
Project/Area Number |
23127505
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
船山 典子 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30276175)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 骨片骨格 / カイメン / カワカイメン / 細胞間相互作用 / 組織間相互作用 / 体内空間 / 骨片運搬細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨片骨格形成に関与する遺伝子の配列が得られることを期待して行ったトランスクリプトーム配列データからは、これまでの当該研究室のESTデータに含まれていなかった、βcatenin、新たなwnt遺伝子などの配列情報が得られている。得られた配列の中からWnt以外のシグナル分子のリセプターなどに着目し、mRNAの発現解析を行ったが、骨片骨格形成への関与を示唆する様な特異的な発現パターンは得られなかった。 カイメンの体内空間による骨片骨格パターンの制御を解析する目的で、班会議での助言から、カイメン体の底面(基底上皮)の広がりを正円、正三角形などに制御する実験系の確立を目指し、基質とコーティングするタンパク質の検討に非常に熱心に取り組んだが、カイメンは通常細胞が生えにくいガラス面、ナノレベルの溝のある面などにも問題なく広がり、この方法を確立することは出来なかった。 基礎生物学研究所の藤森俊彦博士の研究室でコンフォーカル顕微鏡を用いた観察を行い、運搬されてきた骨片が立てられる際に外側上皮組織に骨片が刺さり、そちら側が持ち上げられ、下側端は1時間ほどしてから固定されることを見出した。このため、まずは明視野で骨片骨格形成中のカイメンを側面から撮影するプリズム(松本武郎博士の助言)を用いた方法を確立、偶然にLED光源を用いれば24時間側面から照射してもカワカイメンの成長を阻害しないことを見出し、側面からの明視野像の撮影に成功した。このタイムラプス撮影により、骨片が外側上皮に積極的に突き刺され、持ち上げられ立てられることが確認出来た。これは、大きな謎の1つ「250μmもある骨片の一端を持ち上げる仕組みは何か」への予想外の解答であり、カイメンの体内で巧妙な細胞間・組織間相互作用により骨片骨格が組み上げられることを改めて示すとともに、この過程理解の大きな一歩である。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)