2012 Fiscal Year Annual Research Report
形態形成ダイナミクスのマルチスケールメカノバイオロジー解析手法の構築
Publicly Offered Research
Project Area | From molecules, cells to organs : trans-hierarchical logic for higher-order pattern and structures |
Project/Area Number |
23127506
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 康博 京都大学, 再生医科学研究所, 准教授 (80442929)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | メカノバイオロジー / 形態形成 / シミュレーション / マルチスケール / 発生・分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、形態形成過程に見られる組織階層における多細胞間の協調によるダイナミクスと細胞階層の力場・細胞変形との関連、さらに細胞変形によって生じる分子階層の力学-生化学変換について、アクチン細胞骨格系の力学-生化学連成を中心に、階層間接続するマルチスケールメカノバイオロジーの解析手法の構築を目指している。本年度は、以下の成果を得た。 (1)分子スケール:アクチンフィラメントに対する張力負荷は、フィラメント内のアミノ酸残基の位置を一様に変化させるのではなく、特定のアミノ酸残基群からなる立体構造を変化させることがわかった。そのようなアミノ酸残基群には、張力感受的な相互作用変調が実験的に示唆されているタンパク質との結合ドメインが含まれていたことから、張力感受の分子実体に迫る重要な知見が得られたと考えられる。(2)分子集団・細胞スケール:アクチン-ミオシン間相互作用の張力感受性を数理モデル化し、1分子レベルの張力感受性から分子集団・細胞レベルの張力感受的な構造適応が生じる仕組をシミュレーションにより示した。分子から細胞に至る階層を超えた力感受のロジックに繋がる重要な成果である。(3)組織スケール:形態形成の多細胞動態を表すために前年度に構築した数理モデル(RNRモデル)を用いて、形態形成に必須の細胞活動である細胞増殖の数理モデルを構築した。構築したモデルによるシミュレーションから、細胞レベルの特性量である細胞分裂軸の変調が組織レベルの成長過程における形状変化に与える影響を解析することができるようになり、細胞から組織に至る組織形状構築に関するロジック抽出に必要不可欠のメカノバイオロジー手法を構築することに成功した。以上の成果を査読英文誌(4報)において発表した。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(21 results)