2011 Fiscal Year Annual Research Report
疾患原因となる希少変異を絞り込み疾患機序を推測するための情報技術開発
Publicly Offered Research
Project Area | Personal genome-based initiatives toward understanding bran diseases |
Project/Area Number |
23129502
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩崎 渉 東京大学, 大気海洋研究所, 講師 (50545019)
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Keywords | バイオインフォマティクス / データベース / エキソーム / ゲノム / データ解釈 / データ可視化 / テキストマイニング / オーミクス |
Research Abstract |
近年の猛烈な配列シーケンス能力の向上によって、common variantのみならずrare variantをも解析できるパーソナルゲノム解読が現実のものとなった。実際に疾患の原因となるrare variantを特定した例も報告されつつある。しかし今後、単一性遺伝病ではない場合・普遍的な疾患の場合・顕著な変異が起きていない疾患の場合などにおいては、疾患原因となるrare variantをパーソナルゲノムデータからスムーズに特定できる例は限られてくると予測される。本研究では今後そういった困難が生じる場合に備え、統計的な手段によって絞り込むことが難しい多数の疾患原因変異候補群が見つかった際に、その中から既存のデータベース・生物医学知識を用いてより疾患原因らしい変異群を絞り込み、かつその疾患機序を示唆するためのインフォマティクス技術開発を行うことを目的とした。平成23年度は、英文中からの遺伝子名の抽出(固有表現認識)に関して既存手法の改良を行うとともに、医学生物学分野の文献データベースPubMedに含まれる1000万件を超える英文アブストラクトに対してこれを適用し、網羅的に遺伝子名の抽出および遺伝子IDとの対応付けを行った。さらにその結果をもとに、エキソーム解析の結果得られた疾患原因変異候補の遺伝子群を入力すると、その疾患機序に関連すると想定される生物医学概念を表示するシステムの開発を行った。すでにプロトタイプの実装を完了し、より疾患原因らしい変異群を見いだすためのパラメータの改良を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
おおむね順調に進行しているが、東日本大震災およびそれに伴う解析サーバの停電があったため、研究の遂行がやや遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年7月1日付けで研究代表者が現所属(東京大学大気海洋研究所)に異動し、当初研究計画の遂行が困難になったため平成24年度については辞退することとした。
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