2012 Fiscal Year Annual Research Report
出芽酵母を使ったDNA複製、修復後のクロマチン構造の再生機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Coupling of replication, repair and transcription, and their common mechanism of chromatin remodeling |
Project/Area Number |
23131502
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
増本 博司 筑波大学, 生命環境系, 助教 (80423151)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ゲノムの安定性 / 代謝 / 細胞寿命 / 生理活性物質 / クロマチン構造 / タンパクの翻訳後修飾 / 修飾酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 出芽酵母Hst3, Hst4はクロマチン中のヒストンH3の56番目のリジン(H3-K56)の脱アセチル化を通して染色体構造の維持に貢献している。hst3 hst4二重遺伝子欠損株はH3-K56の恒常的なアセチル化状態を引き起こすほか、栄養飢餓条件下で細胞分裂を停止した状態でもその寿命が短くなる。筆者はhst3 hst4欠損株は糖代謝経路中の糖新生経路が活性化しており、栄養飢餓下で生存しにくいことを明らかにした。またhst3 hst4欠損株の短寿命を回復させる遺伝子欠損として解糖系/糖新生経路に関与する糖代謝酵素TDH2遺伝子を同定した。tdh2欠損では糖新生経路の活性化が起こらないため、hst3 hst4 tdh2欠損株は糖新生経路が抑制され、hst3 hst4欠損株よりも細胞寿命が伸びる。このようにHst3, Hst4は糖新生経路の制御を通して細胞寿命の制御している。
2. 先行研究により同定したtdh2欠損は、hst3 hst4欠損株の短寿命を回復させるだけでなく、H3-K56の恒常的なアセチル化が原因のDNA損傷剤への感受性も回復できる。さらにtdh2欠損は、ヒストンH4の16番目のリジン(H4-K16)の脱アセチル化を行なうsir2欠損株の短寿命も回復することができた。筆者はtdh2欠損のよるsir2欠損株の短寿命回復に着目した。sir2欠損株が示す短寿命は、H4-K16の恒常的なアセチル化に伴うrDNA領域の不安定化に起因する。筆者はtdh2欠損によりsir2欠損株内でSir2以外のデアセチラーゼがH4-K16の脱アセチル化を行なうことを明らかにした。このようにtdh2欠損により変動する糖代謝中間産物にはデアセチラーゼの活性を上昇させる、あるいは基質の特異性を切り替える機能が含まれていることが示唆される。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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