2011 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子転写調節におけるヒストン翻訳後修飾ネットワークとクロマチン再構築
Publicly Offered Research
Project Area | Coupling of replication, repair and transcription, and their common mechanism of chromatin remodeling |
Project/Area Number |
23131510
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
伊藤 敬 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90306275)
|
Keywords | H2A / ユビキチン化 / 脱ユビキチン化 / 転写開始 / 高次構造 / ヒストン / USP21 / クロストーク |
Research Abstract |
真核細胞は遺伝情報を安定に保ち、正確に発現し、細胞分化を維持するため、多彩な機構を働かせている。その中の1つがクロマチンと呼ばれるDNA高次構造である。クロマチン構造の最小単位はヌクレオソーム構造で、ヌクレオソームはゲノムにおける様々な生物学的現象に伴い、ダイナミックに変化する。この研究の目的は、ゲノム普遍的制御として機能制御機構におけるヒストンの翻訳後修飾とクロマチン構造の役割を解明し、それらが引き起こす生命現象を明らかにすることである。肝臓切除後には肝臓再生と関連した劇的な遺伝子発現の変化があり、この変化とH2Aのユビキチン化の変化を調べると、H2Aのユビキチン化は遺伝子転写抑制に関与していることが明らかとなった。平成23年度はヒストンH2A脱ユビキチン化とヒストンH3K4メチル化のクロストーク及びとクロマチンリモデリングの機構を明らかにする目的でUSP21のノックアウトマウスを作製し、多方面からヒストン翻訳後修飾の生物学的意義について調べた。USP21は肝臓切除後の肝再生に重要であることを報告したがノックアウトマウスを解析するとヒストンのユビキチン化は軽度上昇するも肉眼的なレベルでの肝再生の障害は認めなかった。またマウスの個体発生に与える影響も肉眼レベルでは異常を認めなかった。平成24年度は引き続き遺伝子発現レベル、組織レベルでUSP21のノックアウトマウに障害がないか否か検索する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画していたUSP21のノックアウトマウスの解析を行うことができた。しかし結果は予想していたものと異なっていたため平成24年度はさらに解析を進めていきたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
ヒストンH2Aのユビキチン化は遺伝子転写抑制に関与していることをin vivo,in vitroの両面から明らかにし、H3K4メチル化による遺伝子転写機構とのクロストーク機構、肝再生や癌化との関連を明らかにしていきたい。
|
Research Products
(3 results)
-
[Journal Article] Interferon regulatory factor-4 activates IL-2 and IL4 promoters in cooperation with c-Rel2011
Author(s)
Shindo, H., Yasui, K., Yamamoto, K., Honma, K., Yui, K., Kohno, T., Ma, Y., Chua, K.J., Kubo, Y., Aihara, H., Ito T, Nagayasu T, Matsuyama T, Hayashi H
-
Journal Title
Cytokine
Volume: 56
Pages: 564-572
DOI
Peer Reviewed
-
-