2012 Fiscal Year Annual Research Report
メダカの脳機能における性差の逆転機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular mechanisms for establishment of sex differences. |
Project/Area Number |
23132505
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大久保 範聡 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (10370131)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 性差 / 性的可逆性 / 脳 / メダカ |
Outline of Annual Research Achievements |
魚類は種々の行動パターンや内分泌パターンに顕著な性差を示すこと、性成熟後でも性が逆転し得ることから、脳機能の性差における可逆性のメカニズムを解析する上で格好の研究モデルである。これまでに我々は、メダカの脳内で発現に性差を示す遺伝子の探索を行い、脳でオス特異的あるいはメス特異的に発現する遺伝子群を単離・同定してきた。それらの遺伝子群の中には、脳機能の性的可逆性のメカニズムを理解する上で、特に重要であると考えられる数種類の遺伝子が含まれていた。そこで本研究では、それらの遺伝子の機能、作用機序、制御機構を解析することで、脳機能の性差の構築メカニズムおよび逆転メカニズムを明らかにすることを目的とした。 今年度の主要な研究成果としては、単離・同定された遺伝子の一種であるsoulの発現が、エストロゲンによって促進されるメカニズムが明らかとなったことが挙げられる。soulの転写開始点の上流331-345塩基対の位置にフルサイトのエストロゲン応答配列(ERE)(配列:GGGTCAcacTGACAT)が存在し、エストロゲンはこのEREを介してsoulの転写活性を直接的に促進することが明らかとなった。また、このEREの左右いずれのハーフサイトが欠けても、エストロゲンへの応答性を示さなくなることも明らかとなった。このようなメカニズムによって、soulはメスで高い発現を示すものと考えられた。 また近年、様々な動物種でのゲノムデータベースが整備されつつあることを受けて、それらの情報を用いて、改めてsoulの分子系統解析を行った。その結果、この遺伝子はsoulの真のメダカオーソログではなく、これまでに報告のなかった新規のヘム結合タンパク質であることが明らかとなった。そこで、この遺伝子をheme-binding protein 3(hebp3)と命名した。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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