2012 Fiscal Year Annual Research Report
ホルモン依存性の性差を生み出すエストロゲン受容体核内・核外作用機構の総合的解明
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular mechanisms for establishment of sex differences. |
Project/Area Number |
23132506
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東 浩太郎 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (30401110)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | エストロゲン受容体 / 核外受容体 / 核内受容体 / 次世代シーケンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、性差を構築・維持するうえでのエストロゲンの作用を核内作用・核外作用の両者を統合し、総合的な視点からとらえることを目的とし、骨芽細胞をモデルとして用い解析を行った。また、新規の核内作用を解析するにあたり、次世代シークエンサーを用いたRNA sequencingの手法を用い、蛋白に翻訳されない機能的なRNAとして報告されたばかりのlong non-coding RNAにも着目した。 平成24年度における核内作用の研究としては、これまでマイクロアレイにて同定した骨芽細胞における新規エストロゲン応答遺伝子を恒常的に発現する株を骨芽細胞ST2を用いて樹立し、機能解析を行った。この遺伝子は、これまで骨代謝への関与の報告がない遺伝子であり、骨代謝の新たなメカニズムにつながる成果であった。また、昨年度に本領域会議のネットワークを利用し九州大学の大川先生の研究室にて次世代シークエンサーにて読んでいただいたデータを九州大学の須山先生の研究室にて新規転写産物も含めて解析いただいた。結果として、これまで転写産物が報告されていないintergenicな領域において、性差のあるlong non-coding RNAおよびエストロゲン受容体依存性のlong non-coding RNAの誘導を認め、その一部については定量的RT-PCR法にて転写を確認した。このことは、骨芽細胞を介する新規エストロゲン作用がlong non-coding RNAの誘導を介する可能性を示唆するものであり、今後の研究の展開につながる成果であると考えられた。 核外作用に関しては、膜移行性のエストロゲン受容体を恒常的に発現する骨芽細胞株ST2を作成し、機能解析を行った。この結果、エストロゲン受容体の核外作用は、骨芽細胞の分化・増殖とも抑制することを見出し、何らかのシグナル伝達を介する生理作用を有することが示唆された。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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