2011 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞MHC分子の抗原提示能の解析と臨床応用
Publicly Offered Research
Project Area | HLA polymorphism, disease and evolution |
Project/Area Number |
23133505
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
宇高 恵子 高知大学, 教育研究部・医療学系, 教授 (40263066)
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Keywords | 免疫学 / 癌 / MHC分子 / ペプチド |
Research Abstract |
1. MHCクラスII分子KOマウスとの骨髄キメラを用いた、腫瘍特異的CD4 T細胞の固形腫瘍内への浸潤機能の解明 MHCクラスII分子KOマウスと正常のCBF1マウスの間で相互の骨髄キメラを作製し、ovalbumin(OVA)を腫瘍抗原に見立てた実験系で、CD4 T細胞の抗原特異的腫瘍内浸潤の程度を調べた。その結果、血管内皮細胞(EC)および、樹状細胞(DC)を主とする骨髄由来の抗原提示細胞の両方にMHCクラスII分子が発現されることが、腫瘍抗原特異的CD4 T細胞の腫瘍内浸潤に必要であることがわかった。実際、ECは、死んだ腫瘍細胞を貪食し、外因経路で抗原提示をすることがわかった。 2. 腫瘍特異的CD4 T細胞によるCD8 T細胞の腫瘍組織への動員機構の解明 これはH24年度に計画していたが、1.2.の内容を連報として投稿する方が説得力があるため、急遽まとめて、1.の再投稿と連著にして投稿した。 固形腫瘍内に浸潤したCD4 T細胞は、腫瘍内でさらにDCに提示された腫瘍抗原を認識してIFN-γを産生する。このIFN-γ依存性に、ECではI-TAC、IP-10らのchemokinesの産生が起こり、流血中のCD8 T細胞を腫瘍内に呼び寄せることがわかった。このため、腫瘍特異的CD4およびCD8 T細胞の両方を活性化する方法で担がんマウスを免疫すると、これまでCD8 T細胞のみでは困難であった固形腫瘍を縮小する効果も期待できることがわかった。 3. Th細胞誘導効率を数百倍高めた免疫方法の開発 詳細な研究はH24年度に譲るが、自己抗原ペプチドに代表されるCD4 T細胞に至適な結合親和性を持たないペプチドを対象に誘導を行うためには、効率のよい免疫方法の開発が重要である。今回、数百倍のT細胞誘導効率を持つ免疫方法のデザインができ、特許の出願を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2.CD8 T細胞の腫瘍内浸潤機構の研究は予想より早く進み、また、1.の論文投稿の際に、2.の内容も含めて発表した方が、説得力があると考えられたため、急遽仕上げて、1.2.を連報として投稿した。また、計画していなかったが、研究の過程で、Th細胞の誘導効率を数百倍高める工夫ができたため、特許出願を行った。予定を越える成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進展しているので、現在投稿中の2論文の受理にこぎつける。また、手元のデータを論文化することに集中する。ECによる抗原提示の仕事はユニークな貢献であり、概念の確立をしたい。このため、ECを大量に調製する方法を工夫できたので、今後、遺伝子KOマウスのECとの機能比較等を行いたい。また、3.で計画しているMHCクラスI分子KOマウスを使った骨髄キメラを使った研究も進めており、計画期間内の論文化をはかる。Th誘導効率を高める免疫方法の工夫は、in vivoの実験を加えてPCT出願を希望するため、JST等の出願費用助成に応募予定である。
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Research Products
(7 results)