2011 Fiscal Year Annual Research Report
分光情報に基づく高質感映像の収集と表示に関する研究
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative studies of neural mechanisms and advanced information technologies for perception of material and surface qualities |
Project/Area Number |
23135509
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山口 雅浩 東京工業大学, 学術国際情報センター, 教授 (10220279)
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Keywords | ディスプレイ / 映像 / 質感 / 分光画像 / 色域 |
Research Abstract |
本研究は、分光画像情報に基づいて質感の計測と表示を行う技術の開発を行うことを目的とし、映像の質感を高めるために必要となる分光情報を効率的に収集する技術の開発と、高い質感の映像再現を実現する表示技術の開発に取り組んでいる。 今年度は、分光情報の効率的収集に関しては、高解像度の分光動画像を取得するための実験システムの試作を行った。このシステムは、ファイババンドルと分光素子を組み合わせた低解像度の分光イメージングシステムと、高解像度の3バンド(RGB)カメラから構成される。試作したシステムにより、両者の映像を同期して取り込めることを確認した。今後、これらの映像を統合することで、高解像度な分光画像を動画で取り込むことが可能となる。また、効率的にマルチスペクトル動画像を収集する手法として、多色のカラーフィルタをアレイ状に配したイメージセンサとRGBイメージセンサとを組み合わせた4枚のイメージセンサ出力から、マルチスペクトル画像を復元する手法を提案し、シミュレーションにより原理的な確認を行った。 高質感映像の再現に関しては、金属光沢を含む被写体に対して、ハイダイナミックレンジの6バンド画像に基づいて、各種階調圧縮手法を適用した再現画像を生成し、主観評価実験により、質感再現性の評価を行った。その結果、適切な階調圧縮手法により光沢感や質感再現性が向上すること、忠実な色で再現することが質感再現性にも影響を与えることを明らかにした。また、広色域・高ダイナミックレンジのディスプレイを用いた質感再現性について検討するために、レーザーディスプレイを用いた実験システムを構築した。今年度は基礎検討として、レーザーディスプレイにおける色再現方法について実験的に調査を行い良好な精度で色再現を行えることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
効率的な分光情報収集としては、分光動画像の収集方法について計画通りの進展があった。光沢等の高輝度部の映像を効率的に収集する手法は今後さらに検討する予定である。また、高質感映像再現に関しては、主観評価実験により再現性の評価を実施すると共に、来年度に用いる実験システムの準備を開始しており、計画以上の進展が見られた。これらを総合すると、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね当初の計画通りに研究を推進する予定である。具体的には、今年度に試作した分光動画像取得の実験システムを用いて、高解像度の分光動画像の取得を実現し、精度を確認すると共に、高質感映像再現へ応用する。さらに、光沢等の高輝度部の情報や、周囲環境の情報等を高効率に取得する方法を検討する。また、レーザーディスプレイを用いたハイダイナミックレンジ表示システムを試作し、光沢等の高輝度部の再現方法について検討を行う。
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