2011 Fiscal Year Annual Research Report
オノマトペの音象徴性を利用した触質感認知メカニズムの解明とその工学的応用
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative studies of neural mechanisms and advanced information technologies for perception of material and surface qualities |
Project/Area Number |
23135510
|
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
坂本 真樹 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 准教授 (80302826)
|
Keywords | 質感認知 / オノマトペ / 音象徴 / システム / 言語学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、触覚における質感認知を研究する上で,「さらさら」「ざらざら」といった手触りのオノマトペに着目し,その音韻の音象徴性(音韻とそれが生み出す共通の感覚イメージの関係)を利用して,触質感認知の主要因を特定することである.この目的を遂行するため,平成23年度は以下のように進めた. 被験者に様々な物理特性を持つ触素材に触れてもらい,各質感をオノマトペで表現してもらうと同時に提示された複数の質感評価尺度について評価してもらうという被験者実験を行った. 触感におけるオノマトペの有効性を検討した結果,様々な触感の素材に対して,オノマトペは感性語よりそれぞれの素材において異なった表現が用いられる傾向にあり,特に素材をなぞったときに感じる表面状態の評価に有効的であることが示唆された.さらに,オノマトペの音素と触感の快-不快には一様の傾向が見られた.これらのことから,オノマトペは感性的質感認知と物理特性の知覚が融合したヒトの触感認識を表す表現として適していることが示唆された. また,オノマトペに基づいて網羅性のある素材を収集し,触感認識に重要な要因について再考した結果,6つの因子が抽出され,従来研究と共通する因子に加え,新たな因子を抽出することができた. さらに,質感を表す際に用いられるオノマトペ300語について,質感評価に有効な60対の評価尺度で被験者に評価してもらう調査を行い,質感評価とオノマトペの音韻との関係を定量化するためのデータを取得した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究計画に記載した手順1~3までの2までは達成した.手順3に記載したシステムの実装はまだ行っていないが、実装に必要なデータはそろったため「おおむね順調に進展している」と評価した.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成23年度までに集めたデータを解析し,システム実装を行う.
|