2012 Fiscal Year Annual Research Report
大きさの知覚:恒常性、錯視、質感情報との相互作用
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative studies of neural mechanisms and advanced information technologies for perception of material and surface qualities |
Project/Area Number |
23135522
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤田 一郎 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (60181351)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 視覚 / 大きさ知覚 / 図形残効 / 両眼統合 / 心理物理学実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、基本的な視覚情報でありながら脳がどう処理しているかがほとんど未解明である「大きさ」の知覚のメカニズムの解明を目指している。本年度は、時間的に先行する視覚刺激がその後に提示された刺激の大きさの知覚をゆがめる図形残効に注目し、その心理学的特性を解析した。 先行刺激である数パターンの円を注視点の左右どちらかに提示した後、テスト刺激は先行刺激を提示した同位置に、参照刺激は注視点に対してテスト刺激とは対称位置に提示した。参照刺激の大きさは2°で一定とし、テスト刺激の大きさは参照刺激の大きさを基準とし、80~120%の大きさで変化させた。実験1では、先行刺激の大きさは1°, 2°, 3°とし、実験2では1°, 1.34°, 1.68°, 2°とした。被験者に参照刺激とテスト刺激のどちらが大きいかを答えさせ、主観的に参照刺激と同じ大きさに知覚されるテスト刺激の大きさを測定する事により、先行刺激がテスト刺激に及ぼす効果を評価した。 知覚されるテスト刺激の大きさは先行刺激の大きさに依存して変化した。先行刺激が1.68°以上である場合、テスト刺激は小さく知覚され、先行刺激が1.34°以下である場合、テスト刺激は実際より大きく知覚された。テスト刺激が実際より小さく知覚される場合と大きく知覚される場合があることから、空間的注意だけが要因となり、この錯視が引き起こされるわけではない¥。また、必ずしも先行刺激がテスト刺激よりも大きい場合だけ、テスト刺激が小さく知覚されるのではない事から、先行刺激とテスト刺激間における輪郭の位置ずれではなく、円の大きさが原因で錯視が引き起こされる事が示唆される。先行刺激を片目に提示した後、もう片方の目にテスト刺激と参照刺激を提示した場合にも、両眼に刺激を提示した場合と同じ結果が得られたことから、脳の中で両目の情報が統合された後で起きている錯視と考えられる。
|
Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(10 results)