2011 Fiscal Year Annual Research Report
人の認知を考慮した三次元記録や評価法の確立
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative studies of neural mechanisms and advanced information technologies for perception of material and surface qualities |
Project/Area Number |
23135524
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
長原 一 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (80362648)
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Keywords | 感性情報学 / 認知科学 / 画像、文章、音声等認識 |
Research Abstract |
現在,映画やテレビの3次元表示が注目を集め,各社より3D表示可能なテレビが発売されている.また,デジタルカメラにおいても,高解像度化やオートフォーカスをはじめとする自動撮影調整など,誰もが綺麗に画像を撮影するための機能はすでに飽和状態であり,3D撮像など新しい撮像機能を模索している,この様な3Dテレビに必要な,または3D撮像で得られる自由視点画像は,小さな視点変化を持つ画像の集まりであり,それら画像の見かけはほとんど同じであるためそのデータは大きな冗長性を持つ. 本研究では,3D画像表示に必要な多視点画像に含まれるデータの冗長性や特異性を特定し,それらの人の質感や奥行き認知への影響を調べる.具体的には,画像周波数や視差の誤差,物体の直接反射成分や陰影など,自由視点画像に含まれるどのような要素がシビアに人の認知を損ない,どのような要素なら削除したり演算による内挿でも視覚的に問題にならないかを特定する.その知見を自由視点画像の圧縮や復号処理に用いることで,人の知覚特性を反映した効率的な自由視点画像のデータ表現手法を提案する. 本年度は,ネット上にアップロードされている他機関が撮影した多視点画像(17x17視点=289画像)を用いて圧縮手法の検討を行った.具体的には,これらの多視点画像から解像度を間引いたり,視点を間引くことで,仮想的に低解像度のカメラを用いた場合やカメラ台数が少ない場合の多眼カメラシステムをシミュレーションした.本年度において開発した視点や解像度の内挿手法を用いて,このシミュレーション多視点画像から,視点や解像度を復元した多視点画像を生成し,もとの画像と比較することで画像処理による解像度や視点の内挿の精度の評価を行った.さらに,画像のコンテキストに対する復元画質の劣化や復元性能の考察をおこなった.次年度で用いる実画像実験に向けてカメラアレイシステムの構築を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度において予定していた,視点や解像度の内挿手法の提案および実装を完了した.また,シミュレーションではあるが,この手法をもちいて実際に視点や解像度の向上を行い生成した画像を比較評価した.これらのように,次年度に予定している,画質の認知実験のための準備を完了した.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,他機関が撮影した画像をもちいてアルゴリズムの検討を行った.また,実際に多眼画像を撮影できるシステムの構築を行った.次年度では,この多視点画像撮影システムを利用して,さらに様々な多視点画像を撮影して入力として用いる.また,本年度の様な客観的画質評価尺度にとどまらず,実際に被験者による認知実験をおこなうことで,生成画像の画質の認知的評価を行う.
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