2011 Fiscal Year Annual Research Report
「細かさ」質感の視知覚特性
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative studies of neural mechanisms and advanced information technologies for perception of material and surface qualities |
Project/Area Number |
23135528
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
新谷 幹夫 東邦大学, 理学部, 教授 (50339199)
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Keywords | 質感知覚 / コンピュータグラフィックス / 視覚心理 / 細かさ知覚 |
Research Abstract |
本研究計画では、「細かさ」の視知覚に焦点をあて、心理物理的手法によりその知覚特性を解明し、空間構造と質感知覚の関係性をモデル化することを目的とする。さらにモデルに基づく画像生成アルゴリズムを検討し、工学的応用も目指す。本年度は、実験環境構築と基本実験を行った。 1 実験環境の整備 CRT,PC,および視覚刺激作成装置を用いた実験系を構築した。表示系のガンマ補正機能を実現するとともに、視覚刺激を生成・提示し、被験者の反応を集計するプログラムを実装した。 2 基本実験 基本特性を調べるため、輝度・幅・方向が一定である線分を対象に実験を行った。これらの線分をランダムに配置して画像を生成し、さらに低帯域フィルタを施すことにより、線分の細かさが異なる多解像度の画像系列を生成した。 [実験1]細かさの異なる2つの提示刺激を表示し、強制選択法により「どちらが細かく見えるか」被験者に判断を求めた。その結果、画素以下の細かさをかなり正確に判断できることが判明した。 [実験2]生成した多重解像度画像に、コントラスト変調・平均輝度変調・空間フィルタを施した提示刺激と変調前の多重解像度画像とを提示し、調整法により「同一の細かさ」を持つように調整させた。この結果、(1)提示パターンの低周波成分が大きな影響をもつこと、(2)提示パターンのコントラストが大きな影響を持つこと、(3)コントラストー定下の条件では平均輝度は顕著な影響を持たないこと、などが確認された。また、これらの結果に基づき単純な線形モデルを提案し、このモデルにより実験結果が説明できることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験環境整備が順調に進んだため、実験の開始、結果の分析がスムーズに行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に基づき、より一般的な条件での視覚実験を行い、提案モデルの検証を進める。また、得られた心理学的知見に基づき、画像生成等への応用も検討する。
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Research Products
(8 results)