2012 Fiscal Year Annual Research Report
輝度と立体感の順応を利用した質感再現の顕在化研究
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative studies of neural mechanisms and advanced information technologies for perception of material and surface qualities |
Project/Area Number |
23135530
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Research Institution | Tokyo Metropolitan College of Industrial Technology |
Principal Investigator |
山本 昇志 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 准教授 (70469576)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 質感 / 光沢 / 投影 / 立体視 / コンピュータグラフィックス / 画像処理 / 感性工学 / 主観評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は物体が持つ材質感を顕在化して再現する手法を明確化することである。この材質感のうち、我々は物体表面のなめらかさ等を表現する光沢に注目して研究を実施した。昨年度の成果として輝度の情報が光沢を顕在化させるのに有効であることを明らかにしている。そして複数の投影画像をスクリーン上で重畳させることでリアルな光沢再現を実現した。本年度は追加的な顕在化として光沢に生じる奥行き感を付加する手法を検討している。通常、光沢は光源が物体表面に映り込んだ像であり、物体表面とは異なる奥行きを持つ。そのため、物体表面と異なる左右視差を与えることで、正確な奥行き再現が可能となる。しかし人間の視覚においては、両眼の視差像が融合して一つの像として認識可能な視差範囲(パナムの融合域 panum's area)が存在する。そこで我々は異なる視差情報を与えられるコンピュータ画像生成システムを構築して、奥行き変化に対する光沢の知覚感度を評価した。その結果、パナムの融合域を超える範囲(我々の実験では視差角が40 arcmin以上)で光沢の知覚が明確に向上することを明らかにした。最終的には、検証した光沢の立体再現と光重畳による強度増加を兼ね備える再現システムの構築を行った。ここで、スクリーン上で輝度を加算する重畳手法と、視差を生じるために左右異なる画像を投影する手法の合成では光沢画像に位置ずれが生じてしまう。そこで、我々は重畳する光沢位置をスクリーン上で一致させ、逆に異なる視差を持つ物体を前後に表示することで、光沢の奥行きと光重畳による輝度増加を実現した。この手法は従来の手法に比べ光沢が顕在化できることを主観評価で確認できており、本研究目標を達成することができたと考える。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(11 results)