2012 Fiscal Year Annual Research Report
モデル動物としてのサルにおける質感認知の研究
Publicly Offered Research
Project Area | Integrative studies of neural mechanisms and advanced information technologies for perception of material and surface qualities |
Project/Area Number |
23135531
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
伊藤 南 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (20311194)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 神経科学 / 視知覚 / 質感 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトにおける物体表面の素材や質感を手掛かりとする物体識別に固有の問題として、素材の識別の手掛かりが曖昧で個人差が大きいこと、質感のカテゴリーに人工的な素材が含まれることがあげられる。その神経メカニズムを明らかにする際には素材識別が後天的に学習を通して獲得されるヒトに固有の機能なのかが疑問となる。そのため、まず使用するモデル動物が質感の情報を知覚し利用することを示すことが重要である。本課題では、サルに素材の質感を手掛かりとする弁別課題を行わせ、心理物理学的手法による知覚行動の解析をもとにその質感知覚、特にどのような情報を利用しているのかを明らかにする。日本ザル一頭を2通りの訓練方法を併用して訓練し、4種類の素材(金属、布、樹皮、ゲル状プラスチック)を弁別させた。(1)4種類の素材を用いて64箇所に仕切られた棚状の飼育箱を用意して、えさを探す際に仕切内部の素材を注視し、えさを摘む際には必ず壁面に触るようにした。(2)弁別課題に回答する際にレバー表面の素材に触れるようにして訓練した。ディスプレイに呈示した4種類の素材の画像を弁別刺激として訓練した。樹皮、布の素材による弁別成績は90%を越えて安定したが、金属とゲル状プラスチックを混同する傾向が解消されなかった。訓練当初より弁別刺激を画像で呈示しており、刺激の画素数の不足や両眼視差の消失が原因とされる。本課題では4種類の素材による4択の弁別課題を通じて、モデル動物が質感の情報を知覚し利用することが示された。所属の変更にともない、動物の飼育設備、刺激呈示装置、記録システムを構築している。今後は4択の弁別課題を通じて①粗滑、②硬軟、③乾湿、④寒暖の質感をどう評価しているか調べ、その後速やかにV2野、V4野のニューロンの神経活動を測定して質感情報の中間処理の神経メカニズム解明につなげたい。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)