2012 Fiscal Year Annual Research Report
腎排泄型カチオン性小分子の多階層的生体挙動制御解析
Publicly Offered Research
Project Area | Establishment of Integrative Multi-level Systems Biology and its Applications |
Project/Area Number |
23136507
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桂 敏也 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10283615)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 薬学 / 薬物動態学 / トランスポータ / 副作用 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
Multidrug and toxin extrusion (MATE)は、尿細管上皮細胞の刷子縁膜におけるカチオン性小分子の排出に主要な役割を果たすトランスポータであること、また心臓など他の臓器においても発現が認められ、薬物の蓄積に関与している可能性を明らかにしてきた。本研究では、薬効/副作用の発現臓器として心臓に着目し、Mate1ノックアウトマウスを用いて種々薬物の体内動態および臓器移行特性の解析を行った。心臓で薬効を発現する抗不整脈薬としてプロカインアミドを選択し、その活性代謝物であるN-アセチルプロカインアミド (NAPA) を用いた解析を行ったところ、Mate1ノックアウトマウスにおけるNAPAの血中濃度や肝臓への蓄積は、ニコチン受容体部分作動薬バレニクリンと同様に有意に上昇していたが、心臓への蓄積は認められなかった。また、抗アレルギー薬テルフェナジンの心毒性発現にMATEが関与しているか明らかにするため、予備的にテルフェナジンの活性代謝物であるフェキソフェナジンの体内動態におけるMATEの役割について検討したところ、テルフェナジンの尿中排泄におけるMATEの寄与はほとんどないことが判明し、Mate1ノックアウトマウスにおいて心臓への蓄積も認められないことが明らかとなった。一方、テルフェナジンがMATEの基質となることが見いだされたので、今後テルフェナジンもを用いた検討を加える必要がある。 これまでの検討結果も考え合わせると、MATEの基質となる薬物であっても、その体内動態特性や組織移行性に差異が認められることが明らかとなり、動態シミュレーションモデルの構築にあたって今後より詳細な検討が必要であると考えられた。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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