2023 Fiscal Year Annual Research Report
認知症高齢者のがんサバイバーシップを支える緩和ケア看護学の創出
Publicly Offered Research
Project Area | Lifelong sciences: Reconceptualization of development and aging in the super aging society |
Project/Area Number |
23H03879
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
坂井 さゆり 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40436770)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | サバイバーシップ / がん / 認知症高齢者 / 緩和ケア / 生涯学 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、全国の介護施設・訪問看護ステーションに従事する看護職、介護支援専門員660人を対象に、地域で暮らす認知症の高齢者が、がんを発症したときのがん治療と緩和ケアの実態について、WEB調査を実施した。期間は2023年12月4日~13日、調査内容は、①対象の経験、緩和ケアの実践・困難感尺度等、②認知症の診断があり、日常生活自立度判定基準Ⅲ以上かつ75歳以上の高齢者で、がんを発症し看取りに至ったケース1例のがん発症期から臨死期におけるがん治療や緩和ケアの実際等を想起していただき、各質問への回答を得た。記述統計、がん治療の有無および緩和ケア実施の有無に影響する因子について解析した。該当ケースの担当経験ありは342人、抗がん治療有り群34.5%(118人)、緩和ケア有り群67.9%(231人)であった。抗がん治療無しかつ緩和ケア無しが39.4%であった。生活場所、がん告知の対象、がん治療、疼痛評価実践、看取りケア実践、医療者間のコミュニケーション困難度との関連を検討し、生涯学としての考察を行っている。また、看護職、介護支援専門員6名を対象とした、インタビュー調査を実施した。今後、質的統合法(KJ法)により、分析する予定である。調査の中間解析報告は、令和6年度に開催するがん看護関連学会、老年看護関連学会、領域会議で発表する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画と、調査順序は変更しているが、令和5年度調査の結果を踏まえて、既存資料調査、当事者調査を焦点化して実施することが必要と考えたため、順調に進捗している。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、令和5年度に実施したアンケート、インタビューを踏まえ、既存資料調査、当事者調査を実施する。得られた資料より、無治療・治療のいずれであっても、認知症を患うがんサバイバーが、生涯にわたり、安心して暮らせるための緩和ケアの課題を考察する予定である。
|