2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Chiral Luminesent Radicals
Publicly Offered Research
Project Area | Dynamic Exciton: Emerging Science and Innovation |
Project/Area Number |
23H03966
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山下 建 (アルブレヒト建) 九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (50599561)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ラジカル / キラル / 有機EL / 円偏光 / キラル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では基底状態も励起状態も二重項である発光性ラジカルとして近年注目を集めているトリス(トリクロロフェニル)メチル(TTM)ラジカルが本質的にプロペラ型のアトロープ異性を持つことに着目し、キラルな発光ラジカルを創製する。高効率な円偏光発光を示す二重項発光材料を開発する。学術変革領域研究としては領域内の共同研究を通じて二重項エキシトンのダイナミクスや設計指針について従来型の一重項・三重項エキシトンとの包括的理解を進めることを目的としてきた。 本年度はトリス(トリクロロフェニル)メチル(TTM)ラジカル類縁体でラセミ化障壁が大きく、室温で光学分割可能と報告されているBr-TTM(臭素化TTM)を文献に従って合成可能か確認した。文献通りの手法では精製が困難であったが再結晶等を検討することで単離可能であることが明らかとなった。Br-TTMに対してBuchwald-Hartwigカップリング反応を用いたカルバゾールの結合が可能であることも確認し、カルバゾールの結合によって発光量子収率が大きく増大することも確認した。Br-TTMやカルバゾール結合体はラセミ体で得られるため、領域に所属している大阪大学 佐伯教授と協力してキラルカラムによる光学分割が可能であることも確認した。 領域内で様々な研究が実施されている熱活性化遅延蛍光材料についても嵩高い置換基を有し、ニート膜でも発光量子収率が81%に達する材料を開発して論文として発表した。 この他に領域内共同研究として、測定のためのTADF材料や原料となるカルバゾールデンドロンの提供も実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロペラキラリティーが室温で固定化されるBr-TTMの合成と新規物質であるカルバゾール結合体の合成に成功している。光学分割も可能であることを確認しており、2年度目に円偏光発光などの物性を確認できる予定である。 その他にも領域内共同研究やTADF材料に関する研究成果が出ている。
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Strategy for Future Research Activity |
Br-TTMラジカルの純度と大量合成には課題があるため2年度目に論文化できるように合成を急ぐ。キラルドナーの発光ラジカルへの結合については未着手であるため2年度目に実施する。 熱活性化遅延蛍光などの他の材料研究についても共同研究を実施しながら領域研究に貢献する。
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[Presentation] Effects of halogen atom substitution on luminescent radicals: a case study on tris(2,4,6-trichlorophenyl)methyl radical-carbazole dyads2023
Author(s)
Kazuhiro Nakamura, Kenshiro Matsuda, Rui Xiaotian, Minori Furukori, Satoshi Miyata, Takuya Hosokai, Kosuke Anraku, Kohei Nakao, Ken Albrecht
Organizer
Challenges and prospects in organic photonics and electronics Faraday Discussion
Int'l Joint Research
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