2023 Fiscal Year Annual Research Report
星間塵から出発する鉱物進化における間隙水の機能
Publicly Offered Research
Project Area | Next Generation Astrochemistry: Reconstruction of the Science Based on Fundamental Molecular Processes |
Project/Area Number |
23H03995
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
深澤 倫子 明治大学, 理工学部, 専任教授 (40409496)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 鉱物進化 / 間隙水 / フォルステライト / 分子動力学計算 / 構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
星間分子雲にはアモルファス氷に覆われたケイ酸塩鉱物微粒子が星間塵として存在する。アモルファス氷を構成する水分子の多くは原始惑星系円盤への変遷に伴う昇温過程で昇華するが、その一部は鉱物粒子間の界面等の隙間に間隙水として閉じ込められると考えられる。間隙水は、同じ温度圧力条件の純水に比べて高密度で電荷の偏った反応性の高い状態にあるため、従来の予測よりも低温で鉱物の水質変成を促進する可能性がある。このことから、鉱物進化の過程を理解する上で、鉱物と共存する水の構造と物性の解明が不可欠であると考えられる。本研究では、主要なケイ酸塩鉱物の一つであるフォルステライトガラスを対象として、理論と実験の両面から高密度の水と共存する鉱物変成のメカニズムを解析する。 これまでにガラス状態および結晶状態のフォルステライトの高温高圧水熱反応実験を実施し、初期構造に依存して生成物の構造が変化することを見出した。さらに、初期構造の変化に伴う構造相転移条件および反応速度の違いについても明らかにしている。今後はさらに生成物の詳細な構造解析を実施し、反応条件に依存した生成物の構造変化の過程を明らかにする。さらに、実験により求めた反応条件と同条件で分子動力学計算を実施し、構造変性のメカニズムを明らかにする。これらの成果を基に、水の状態に応じた変成経路の変化を示し、高密度の水が関与する鉱物の進化モデルを提案したいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに研究が進展している。これまでにガラス状態および結晶状態のフォルステライトの高温高圧水熱反応実験を実施し、初期構造に依存して生成物の構造が変化することを見出した。さらに、初期構造の変化に伴う構造相転移条件および反応速度の違いについても明らかにしている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに、ガラス状態および結晶状態のフォルステライトの高温高圧水熱反応実験を実施し、初期構造の変化に伴う反応条件、反応速度および生成物の変化を明らかにした。この成果に基づき、本年度はX線回折法およびラマン分光法により生成物の詳細な構造解析を実施し、反応条件に依存した生成物の構造変化を明らかにする。さらに、実験により求めた反応条件と同条件で分子動力学計算を実施し、構造変性のメカニズムを明らかにする。これらの成果を基に、水の状態に応じた変成経路の変化を示し、高密度の水が関与する鉱物の進化モデルを提案する。
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Research Products
(23 results)