2023 Fiscal Year Annual Research Report
静水圧による共役分子の動的な高密度化とそのキラー計測
Publicly Offered Research
Project Area | Condensed Conjugation Molecular Physics and Chemistry: Revisiting "Electronic Conjugation" Leading to Innovative Physical Properties of Molecular Materials |
Project/Area Number |
23H04020
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
福原 学 東京工業大学, 理学院, 准教授 (30505996)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 静水圧 / ポルフィリン / レシオ測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、高密度共役科学に必須と考えられる「集積のエントロピー項」や「ナノ空隙」を外部刺激によって能動的に制御する、すなわち共役分子の“dynamic control”を目標とし、「静水圧による共役分子の動的な高密度化とそのキラー計測」を目論んだ。実際に幅広い分子群の静水圧計測を行い、多くの結果が出たが、ここでは、ポルフィリンクリップについて詳述する。静水圧下での蛍光スペクトルにおいて、クリップ誘導体1では静水圧印加によって、436 nm付近に観測されるポルフィリンのS2発光と605 nm付近のS1発光の単調な減少が観測された。一方クリップ誘導体2では、クリップ誘導体1と同じくS1発光は減少していくが、S2発光が増加するといったレシオメトリックな挙動が観測された。この現象はポルフィリンを修飾している足場の柔軟性に起因しており、より柔軟なリンカーの誘導体では加圧に伴い分子内のポルフィリン間の距離が近くなり、分子内で会合体が形成されたためであると考えられる。これら二つの誘導体の静水圧蛍光スペクトルから、圧力に対して蛍光強度比をプロットしたところ、非常に良い相関関係が見られ、蛍光強度比によって静水圧の定量化を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初目的としている柔軟な分子群についての計測は鋭意継続中ではあるが、本質的なデータ取得には成功している。また2023年度の成果報告とあわせて、残り1年の期間を考えると、「おおむね順調に進展している」と結論づけられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、高密度物質のモデルマテリアルであるキラルフルオレンやポルフィリンポリマーへと展開していく。これらの分子は、基底状態と励起状態での挙動が大きく変わると予想されているので、光照射下での静水圧計測もあわせて行っていく予定である。
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[Journal Article] Pressure-Responsive Polymer Chemosensors for Hydrostatic-Pressure-Signal Detection: Poly-L-Lysine-Pyrene Conjugates2023
Author(s)
Wakako, S.; Hori, Y.; Kinoshita, T.; Saiki, T.; Qi, X.; Hasegawa, K.; Imai, Y.; Mori, T.; Nakagawa, K.; Fukuhara, G.*
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Journal Title
ACS Macro Lett.
Volume: 12
Pages: 1389-1395
DOI
Peer Reviewed
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