2023 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of intracellular interaction that control the safety and toxicity of artificial nucleic acids
Publicly Offered Research
Project Area | Biophysical Chemistry for Material Symbiosis |
Project/Area Number |
23H04067
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
神谷 由紀子 神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (00527947)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 人工核酸 / 細胞内相互作用 / 毒性 / アンチセンス核酸 / 細胞内輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
核酸医薬品は次世代医薬品として注目を集めている。酵素耐性能・RNA認識能を高度化した様々な人工核酸が開発され、これらの人工核酸を用いた核酸医薬品が次々と認可されている。しかし、標的RNA到達への効率化・毒性の軽減などの達成すべき課題が残されており、現状では核酸医薬品の設計が生体に対する共生条件を十分に満たしているものであるとは言えない状況である。本研究では、核酸医薬品の基盤である人工核酸の化学的特徴(化学構造、立体構造)に着目し、①人工核酸の細胞内輸送の分子機構と人工核酸の化学構造の連関の解明、②核酸医薬品の構造(化学構造と配列情報)に起因する細胞内毒性の制御の二つの観点で研究を進め、人工核酸マテリアルが生体と共生状態を達成するための原理原則を明らかにすることを目指している。 ①核酸医薬の基盤となる人工核酸分子の細胞内輸送機構の分子基盤の解明 人工核酸として、リボース改変型、非環状型、電荷中性型の化学的特徴をもつ人工核酸を用い、フローサイトメーター、細胞内マーカータンパク質との共局在性の解析により、人工核酸の細胞内移行効率・細胞内動態の情報を得た。 ②アンチセンス核酸の望まない相互作用に由来する毒性機構 細胞死を誘導するアンチセンス核酸を親配列として、様々な位置にアミノ酸型人工核酸を導入したアンチセンス核酸を調製した。これらを用いて、細胞毒性の変化、毒性発現に関わるタンパク質挙動の解析を実施した結果、導入位置依存的に毒性軽減が可能であることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に従って研究が進展した。また、アンチセンス核酸の課題である毒性に関して、毒性を軽減することが可能な候補設計を見つけることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究成果を基盤に、①人工核酸の細胞内輸送の分子機構と人工核酸の化学構造の連関の解明、②核酸医薬品の構造(化学構造と配列情報)に起因する細胞内毒性の制御の二つの観点の研究を進める。①に関しては、人工核酸の細胞内取込・輸送の分子基盤・性能向上に関しての知見を収集する。②に関しては、毒性を誘導するアンチセンス核酸と関連タンパク質との間の相互作用情報の取得を目指す。
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