2023 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring Glutamate Exocytosis in Mammalian Astrocytes
Publicly Offered Research
Project Area | Glia decoding: deciphering information critical for brain-body interactions |
Project/Area Number |
23H04180
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
宮下 知之 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳・神経科学研究分野, 主席研究員 (70270668)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | ショウジョウバエ / Ensheathig glia / グルタミン酸 / エクソサイトーシス / NMDA receptor / Mg2+ block |
Outline of Annual Research Achievements |
脳の主要な神経伝達物質あるグルタミン酸(Glu)は、小胞型Gluトランスポーター(vGluT)により小胞に詰め込まれ、シナプス間隙に開口放出される。近年、Gluは神経細胞からだけでなくグリア細胞からも神経伝達物質として放出されていると考えられるようになってきた。研究代表者はショウジョウバエを用いた研究で、グリア細胞にvGluTが発現し、匂い嫌悪学習の嫌悪情報をグリア細胞がGluを開口放出して記憶中枢に伝達する機能を持っていることを明らかにしてきた。一方、哺乳類では、グリア細胞でvGluTが発現し、機能しているのかは明らかになっていない。ショウジョウバエとマウスのGluシグナルは高度に保存されていることからマウスのグリア細胞からGluが開口放出されているかを調べる目的で研究を行う。 近年、新しいアストロサイトのマーカー(ALdh1l1)を使ってアストロサイトのmRNAを調べた結果、vGluT1が高発現していることが報告された事もあり、本研究は、vGluT1がアストロサイトにも発現しているかを可視化できるシステムを作り出すこと。さらに、アストロサイトに発現するvGluT1の役割を明らかにすることを目的として研究を行い、生物に共通のメカニズムを明らかにしていく。本年度はvGluT1のcKOマウスの作成を行い、アストロサイト特異的にvGluT1をノックアウトしかつvGluT1発現アストロサイトを可視化できるマウスを作製した。さらにAAVによる脳の部分的かつアストロサイト特異的なノックアウトを実現するために、split-Creシステムの開発も同時に行った。2種類のプロモーターによってN末側のCreとC末側のCreを発現させ、発現の重なった細胞でCreが機能するシステムを作ることができた。現在vGluT1 cKOマウスの第2世代を作製中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ショウジョウバエの論文のアクセプトに非常に時間がかかり、マウスの研究を行う時間が確保できず計画は遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
Split-Cre システムのさらなる進化(N末側のCreをアストロサイト特異的に発現するマウスを作製するなど)を行い、多くの人が使いやすいシステムを構築する。また、第二世代のvGluT1 cKOマウスを確立させアストロサイト特異的なノックアウトを行い、アストロサイトにおけるグルタミン酸放出の生理的意義を明らかにしていく。
|