2023 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオーム変化を介した植物の気温変動へのレジリエンス機構の解明
Publicly Offered Research
Project Area | Multi-layered regulatory system of plant resilience under fluctuating environment |
Project/Area Number |
23H04193
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
城所 聡 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (70588368)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 植物 / 温度ストレス / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
常温・低温・高温におけるRVE転写因子の標的プロモーター上で起こる転写制御の分子機構を明らかにするため、温度への応答性が異なる4つのRVE4/RVE8標的遺伝子のプロモーター内において4~6種類のgRNAを設計した。各gRNAとともdCas9と転写活性化因子をシロイヌナズナプロトプラスト内で一過的に発現させ、標的プロモーターの転写活性を測定した。その結果、それぞれのプロモーターにつき1~2種類のgRNAで高い転写活性化能が見られた。また活性が見られた2種類のgRNAを同時に発現させて同様の実験を行った結果、転写活性化能の相乗的な向上が見られた。 次に、各プロモーターにおいて転写活性化能が見られたgRNAと3×FLAG-dCas9を発現するシロイヌナズナ植物体を作出した。また複数のgRNAをtRNA-Glyで繋ぐことで同時に発現させた3×FLAG-dCas9形質転換体も作出した。さらにMS2アプタマー融合型gRNAおよびSunTagシステムを用いて1分子のgRNA-dCas9複合体に対して多数のGFPタンパク質を相互作用させるCRISPR-IMSベクターを構築し、シロイヌナズナ植物体に導入した。 RVE標的プロモーターの1つについてgRNAを含むCRISPR-IMSベクターを導入した植物体を用いて蛍光観察を行った結果、根において核内で顆粒状のシグナルが検出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
dCas9を用いたプロモーターのラベルを行うためのコンストラクトやgRNA評価系を構築し、標的プロモーターにおけるgRNAの選抜と植物体への導入を計画通り進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
各プロモーターのgRNAと3×FLAG-dCas9を発現させた植物体を用いたenChIPを行い、質量分析装置を用いて共免疫沈降産物を同定する。通常生育条件だけでなく低温・高温ストレス条件下での植物体について同様の解析を行い、共精製産物やそれらの修飾状態を比較する。 イメージング解析については、他のプロモーターのgRNAを含むCRISPR-IMSベクターを導入した植物体の作出と蛍光観察を進めるとともに、別のアプタマーやタグシステムを用いた新規イメージング用ベクターを構築することで、地上部の細胞でも蛍光が見られるシステムの開発を目指す。
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Research Products
(10 results)