2023 Fiscal Year Annual Research Report
光環境レジリエンスを支えるフォトトロピンの情報統御とプロテオーム多様化機構
Publicly Offered Research
Project Area | Multi-layered regulatory system of plant resilience under fluctuating environment |
Project/Area Number |
23H04202
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
武宮 淳史 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (80448406)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 青色光 / 光合成 / フォトトロピン / 気孔開口 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、光環境情報の統御機構に焦点をあて、光合成とフォトトロピンを介した青色光シグナル伝達による孔辺細胞葉緑体のデンプン動態制御機構について解析を進めている。これまでに孔辺細胞プロトプラストを用いたリン酸化プロテオーム解析により、青色光に応答してリン酸化される因子としてWD-repeatをもつタンパク質(WDR)を同定し、本因子を欠損するシロイヌナズナの変異体では青色光によるデンプン分解と気孔開口が阻害されることを見出している。本年度は青色光によるデンプン分解におけるWDRのリン酸化の機能的意義を明らかにするため、wdr変異体に対してリン酸化部位であるSer残基をAlaに置換した非リン酸化体を導入し、機能解析を行った。その結果、野生型WDRを導入した形質転換体ではデンプン分解の回復が見られたが、非リン酸化型WDRを導入したものでは回復が見られなかった。このことからWDRのリン酸化はデンプン分解に必須のメカニズムであることが示唆される。 次にWDRのリン酸化を導くシグナル伝達機構について詳細な生化学的解析を行った。野生株では青色光パルスを照射後、15秒目でWDRのリン酸化が検出され、2分目でリン酸化レベルが最大となり、20分目にかけて脱リン酸化されることが分かった。この青色光によるWDRのリン酸化はシロイヌナズナのphot1変異体とphot2変異体では見られたが、phot1 phot2二重変異体では見られなかったことから、phot1とphot2によって重複して制御されることが明らかとなった。また、WDRのリン酸化はフォトトロピンの基質であるBLUS1とCBC1/2キナーゼの三重変異体においても見られたことから、このリン酸化はBLUS1やCBC1/2とは独立の光シグナル伝達によって制御されることが示唆される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
青色光によるWDRのリン酸化がフォトトロピンを介した新奇の光シグナル伝達によって制御されることを明らかにすることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
フォトトロピンがWDRのリン酸化を導くシグナル伝達機構の解明に向け、研究を進める。
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[Presentation] Phosphorylation of WD-repeat protein WDR by phototropins is essential for starch degradation to promote stomatal opening2023
Author(s)
Shota Yamauchi, Naoyuki Sugiyama, Yutaka Kodama, Luca Distefano, Haruki Fujii, Mika Nomoto, Yasuomi Tada, Kazuhiro Hotta, Diana Santelia, Ken-ichiro Shimazaki, Atsushi Takemiya
Organizer
The 33rd International Conference on Arabidopsis Research (ICAR2023)
Int'l Joint Research
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