2023 Fiscal Year Annual Research Report
Engineering of bionanomachine-driven actuators
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Cybernetics -Development of Minimal Artificial Brain by the Power of Chemistry |
Project/Area Number |
23H04401
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
矢島 潤一郎 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00453499)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | バイオナノマシン / リポソーム / 細胞骨格 / モータータンパク質 / ドロップレット |
Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質の相互作用能や自己組織化能、及び、DNAナノ構造体の制御能によって、主に細胞骨格からなる高次構造体をリポソーム内に構築し、そのリポソーム形態がダイナミックに変わる仕組みの実装、及び、それらを統御する分子システムの理解を目指している。本年度は、(1)細胞骨格依存性モータータンパク質、及び、対応する細胞骨格をリポソーム、または、作成が容易なドロップレットに封入し、細胞骨格の動態を定量できる実験系の確立、(2)DNAオリゴでモータータンパク質の運動方向を制御する方法検討、(3)cDice(continuous droplet interface crossing)法やマイクロ流路デバイスを用いてサイズが一様なリポソームを作成する方法検討についてすすめた。(1)に関しては、リポソームに封入したキネシンー微小管系では、温度に依存して、多数の突起構造が形成/消失する条件を検討し、3次元空間でその突起様構造体を解析する方法の開発に取り組んだ。ドロップレットに封入した、もしくは、ガラスチャンバー内のミオシン-アクチン系では、ドロップレット脂質膜Bleb様形態の形成と退縮を行う条件やアクトミオシンネットワーク構造の収縮する条件を見出した。ミオシンミニフィラメント、または、アクチンフィラメント切断タンパク質によるアクチンフィラメントの切断が、密度の高いアクチンネットワークの収縮を制御することを新たに見出した。(2)に関しては、キネシンのモータードメインをDNAオリゴを介してガラス基板に固定する技術を確立した。(3)に関しては、既に海外のグループから報告があるcDICEデバイスを3Dプリンターを用いて作成し、本研究で実施するタンパク質の組成・濃度でのリポソーム作成条件を検討し、また、研究協力者が開発したマイクロ流路デバイスを用いて、高濃度タンパク質を封入する方法の条件検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験計画のすべての項目を当初の計画通りに進めることができ、次年度における研究を推進する準備が整い、また、アクトミオシンネットワーク構造の収縮制御、及び、リポソームやドロップレットに内封するモータータンパク質・ミオシンに関する新規運動特性や温度感受性について明らかにし、国際学術誌に3報の論文として報告できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
リポソーム形態の変形を実現するため、微小管切断タンパク質や微小管結合タンパク質を封入し、微小管の重合・脱重合を制御する方法を検討する。微小管の滑り運動の方向制御には、キネシン分子による運動方向の制御を検討する。この制御には、キネシン-1モータードメイン、または、キネシン-14モータードメインの運動支点位置を変えることで運動方向を変える性質を利用し、DNAオリゴの選択で運動支点を変更することを試みる。また、アクトミオシン系では、ガラス基板上でのアクトミオシンネットワークが大きく変形する条件を参考に、作成が比較的容易なドロップレット内にリン脂質結合性ミオシンを内封して脂質膜と結合させることでドロップレットを変形させ、その作用機構を定量し、細胞骨格・モータータンパク質から構成される高次構造体変形の分子機構の解明を試みる。技術補佐員を1名雇用し、前年度から実施しているcDICE法とマイクロ流路デバイスを用いる方法の両方を用いて一定サイズのリポソーム作成方法、及び、リポソームサイズの制御の条件検討を行い、リポソーム作成の最適化をすすめる。
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Research Products
(5 results)