2023 Fiscal Year Annual Research Report
リコンフィギュラブルなDNAナノポアクラスターの創出
Publicly Offered Research
Project Area | Molecular Cybernetics -Development of Minimal Artificial Brain by the Power of Chemistry |
Project/Area Number |
23H04416
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
鈴木 勇輝 三重大学, 工学研究科, 准教授 (50636066)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | DNAナノテクノロジー / DNAオリガミ / ナノポア / 分子集積 / 分子デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,多数の膜貫通合成ナノポアの集積密度・集積パターンをDNA分子アクチュエータシステムを介して自在制御することで,合成ナノポアの「集団としての性能」を人為的に変調するための方法論を開拓する.具体的には,入力刺激の種類や組合せに応じて特異的な変形を示す二次状DNAナノアクチュエータを構築し,それを足場として合成ナノポアをアレイ化することで,リコンフィギュラブルな合成ナノポアクラスターを構築する.研究初年度となる2023年度は,以下の2項目に取り組んだ。 項目1:多様に変形するDNAナノアクチュエータの構築と評価 複数の刺激やそれらの組み合わせに応じて,特異的な形状へと変化する二次元格子型の分子アクチュエータをDNAオリガミ法により構築した。格子の各フレームの形状を一対のシグナルDNAによって指定できるように設計し,それぞれのフレームに対して特異的なシグナルDNAのペアを設計した。互いに直交するシグナルDNAの組み合わせに応じて,多種類の異なる形状へと変形することを確認したほか,鎖置換反応によりシグナルDNAを任意に入れ換えることで,ナノアクチュエータの繰り返しの動作や形状変換が可能であることを実証した。鎖置換反応に基づく動作機構に加え,i-motif構造の形成と解離を併用することで,pH変化および分子信号(シグナルDNA)という異なる刺激種に対する二重応答性も実現した。 項目2: DNAナノポアの構築 酵素反応により合成した一本鎖DNA(700~800 nt)をScaffold鎖として,小型の合成DNAナノポアを構築した。コレステロール修飾鎖を介してDNAナノポアをリポソームに導入し,その膜表面への局在を共焦点レーザー顕微鏡により確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,初年度に新規DNA分子アクチュエータの設計と構築および刺激依存的な形状変化の評価を完了した。DNAナノポアの構築についても順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
分子アクチュエータとDNAナノポアの複合化および性能評価に重点を置き,研究を進める。新たに合成したDNAナノポアのイオン透過能については各種イオンインジケーター蛍光プローブを用いた蛍光シグナルの変化を観察・解析することで評価する。
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