2023 Fiscal Year Annual Research Report
Ringdown gravitational wave data analysis for testing gravity theories by deep leanring
Publicly Offered Research
Project Area | Foundation of "Machine Learning Physics" --- Revolutionary Transformation of Fundamental Physics by A New Field Integrating Machine Learning and Physics |
Project/Area Number |
23H04502
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 貴宏 名古屋大学, 理学研究科, 研究員 (70972016)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 重力波 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
ブラックホールの微小な歪みから放出されるリングダウン重力波は、ブラックホールの準固有振動によって占められていると考えられている。一般相対性理論によれば準固有振動の振動数と減衰時間はブラックホールの質量とスピン(自転の速さ)だけで決まる。この性質を用いると、連星ブラックホール合体後のリングダウン重力波を用いた一般相対性理論の検証ができる。しかしブラックホール合体後、どの時点からリングダウン重力波が開始したかは明確な境界が存在しないため、データ解析の観点から言えば、重力波観測データからブラックホール準固有振動の振動数・減衰時間を推定することは単純ではない。本研究では、深層学習を用いて合体からリングダウン重力波までの遷移過程をデータそのものから学習・モデル化し、実際の連星合体重力波イベントを用いて一般相対性理論の検証を行うことが目的である。 深層学習ではニューラルネットワークと呼ばれる推定器を用いて回帰問題などを解く。ニューラルネットワークは重力波データを入力として、準固有振動の振動数と減衰時間を出力するように設計する。実際のデータに適用する前に、大量の模擬データを用いて内部パラメータを最適化する必要がある。ニューラルネットワークの性能はこの模擬データをどのように作成するかに大きく依存する。本研究の目的に照らせば、準備する重力波波形は一般相対性理論だけではなく他の重力理論による波形も含めたようなものでなくてはならない。本年度では、模擬データとして用いる模擬的な重力波波形の設計を行い、模擬データの作成を行なった。一般相対性理論に基づいて生成された重力波波形のうち、合体時刻以降の部分だけを模擬的に修正することとし、そのためのパラメトリックなモデルを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
訓練データに用いる模擬的修正波形のモデルを作成し、実装した。またLIGO-Virgo-KAGRAコラボレーションが公開している第三期観測運転までに得られた観測データから、実際の検出器ノイズを取得し、波形を注入することで模擬データを作成するためのコードを実装した。そして、これらのコードを用いて模擬データを作成した。ニューラルネットワークの訓練をするための準備が十分整備された。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度でニューラルネットワークの訓練をする前段階の準備は整えたので、今後はこれを用いてニューラルネットワークを訓練し、模擬データで性能評価を行う。そして訓練したニューラルネットワークを用いて、LIGO-Virgo-KAGRAコラボレーションが第三期観測運転までに発見した重力波イベントの解析を行い、リングダウン重力波から準固有振動の振動数と減衰時間を推定する。また実際の修正重力理論と得られた結果との対応づけを理論的に考察することで、修正重力理論への制限を与える。
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