2023 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of glycosylation strategies by searching and comparing biosynthetic enzymes of structurally similar glycolipids MPIase, BPF, and ECA
Publicly Offered Research
Project Area | Systems biosynthetics based on accumulation, prediction, and creation of biological reactions |
Project/Area Number |
23H04536
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
西山 賢一 岩手大学, 農学部, 教授 (80291334)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | タンパク質膜挿入 / 糖脂質 / MPIase / ECA |
Outline of Annual Research Achievements |
グラム陰性細菌外膜の主要糖脂質ECAや、内膜でタンパク質膜挿入に関与する糖脂質 MPIase、内膜保護に関わる糖脂質BPFは、細胞内における局在や機能が全く異なるが、糖鎖構造はほぼ同一である。さらに、ECAとMPIase ・BPFでは、糖鎖生合成の基質・酵素を含めて生合成経路が全く異なる。ECAの生合成遺伝子はほとんどが同定されているが、それらの欠損株ではECAは発現しなくなるのに対してMPIaseの発現には全く影響がない。そのため、ECAとMPIaseの生合成遺伝子はお互い独立しており重複がない。本年度はMPIaseの生合成遺伝子の同定を中心に研究を進めた。 MPIaseはアセチル化された3種のアミノ糖からなる糖ユニットが10回程度繰り返した糖鎖をもつ。mini-MPIaseは3糖ユニットを一個だけ有するMPIaseの部分化学合成標品である。MPIaseの構造を考慮すると、mini-MPIaseは3糖ユニットの供与体であり受容体でもあると考えられる。大腸菌の可溶化膜とmini-MPIaseを混合して再構成したプロテオリポソームを37℃で保温すると3糖ユニットの重合する様子が観察された。この3糖重合酵素を同定するため、可溶化膜を陰イオン交換カラムに供すると、重合活性をもつ画分が得られた。この酵素を同定するため、さらなるカラムクロマトグラフィーを行っている。 ASKAライブラリーは大腸菌の4000あまりの遺伝子をそれぞれクローン化したものであり、それぞれの遺伝子を過剰発現することができる。ASKAクローンを検索したところ、manC遺伝子を過剰発現するとMPIaseが増加することが判明した。したがって、MPIase のManNAcAはGDPで活性化した糖ヌクレオチドが使用されることが強く示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MPIaseの生合成遺伝子を探索した結果、複数の方法で候補遺伝子・酵素がリストアップできたため。
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Strategy for Future Research Activity |
早い段階でMPIase生合成酵素を特定し、ECAとMPIaseの生合成様式の差異について詳細に明らかにする。
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Research Products
(21 results)