2023 Fiscal Year Annual Research Report
中分子創薬を目指した創薬ターゲット特異的結合RiPPsアナログの創出
Publicly Offered Research
Project Area | Systems biosynthetics based on accumulation, prediction, and creation of biological reactions |
Project/Area Number |
23H04548
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
尾仲 宏康 学習院大学, 理学部, 教授 (80315829)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 中分子創薬 / RiPPs / 天然物創薬 / ペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
創薬における構造プラットフォーム として非常に有望な中分子天然物で あるリボソーム翻訳後修飾ペプチド (RiPPs)は、アミノ酸配列の組み合わせとアミノ酸側鎖の翻訳後修飾により、極めて多様な構造バリエーションを取ることが可能である。RiPPs骨格を用いた中分子創薬のためには、様々な化学構造の RiPPsを自由自在に創製できる技術 が必要であり、申請者らは既にラクタゾール(LZ)、ゴードスポリン(GS) を母核として、世界初の遺伝子情報からの完全なin vitro再構成生合成系を確立している。本研究では、既存の天然物の構造多様性を凌駕する人工非天然型RiPPsライブラリーを創製し、 創薬ターゲット分子と特異的に結合するRiPPsアナログをスクリーニングし、医薬品リード化合物へとつなげることを目的とする。その際、創薬ターゲット分子に特異的に結合する RiPPsアナログのスクリーニング法が肝となるが、本計画ではドッキングシミュレーション や機械学習を用いて、より特異性の高いアナログの創出を目指す。本計画は以下の3つからなり、概ね順調に進んでいる。(Ⅰ)10億通りを越えるLZアナログライブラリーの構築(Ⅱ)指向性進化法を取り入れた有用LZアナログの選抜方法の確立(Ⅲ)LZアナログを生産する放線菌を宿主とした発酵プロセスの構築
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画は以下の3つからなり、それぞれについて以下のように順調に推移している。 (Ⅰ)10億通りを越えるLZアナログライブラリーの構築については、ライブラリー作製に成功した。 (Ⅱ)指向性進化法を取り入れた有用LZアナログの選抜方法の確立については、 mRNA displayを行い、候補となる環状ペプチドの取得に成功した。 (Ⅲ)LZアナログを大量生産する放線菌を宿主とした発酵プロセスの構築については、異種発現系を放線菌で構築し、LZアナログの発酵生産に成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は(I)は目標を達成したために、特に研究計画の(II), (III)について、重点的に進める予定である。 (Ⅱ)指向性進化法を取り入れた有用LZアナログの選抜方法の確立については、 mRNA display法に翻訳後修飾反応を組み合わせた系を新たに構築し、薬剤候補となるLZアナログの取得を目指す。 (Ⅲ)LZアナログを大量生産する放線菌を宿主とした発酵プロセスの構築については、異種発現系を放線菌で構築しLZアナログの発酵生産に成功したが、更なる収量増のための育種を検討する。
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