2023 Fiscal Year Annual Research Report
Chirality-selective nucleation and crystal growth induced by chiral vortex beam
Publicly Offered Research
Project Area | Chiral materials science pioneered by the helicity of light |
Project/Area Number |
23H04593
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
桶谷 龍成 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 助教 (60874956)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | キラリティ / 光渦 / 円偏光 / 有機結晶 / 構造転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
準安定なラセミ化合物に光渦を照射し、構造転移の誘導と同時に光渦のキラリティに応じたエナンチオマーから成るコングロメレートへの変換できる系を見出すことを全体の目的とし初年度は準安定ラセミ化合物結晶を与える化合物およびその構造転移挙動のスクリーニングを実施した。まずCSDに報告されている化合物の中から、ラセミ化合物とコングロメレートのどちらもが報告されている化合物の結晶を抽出したところ、約650個の化合物が見つかった。そのうち合成が容易な化合物を選択し、熱分析や粉末X線回折測定により構造転移挙動を調べ、ラセミ化合物が準安定相となる系を探索した。その結果、面性キラリティを示すフェノチアジン誘導体がキラリティの反転を伴いつつ、ラセミ化合物相からコングロメレート相へ不可逆に構造転移を起こすことを見出した。構造転移の挙動を温度可変偏光顕微鏡観察により調べたところ、結晶中の一点から構造転移が開始し、それが全体に伝搬することで構造転移が進行することが明らかとなった。構造転移の開始点は結晶ごとにランダムであったが、結晶中のクラックなど界面から進行するケースが多く観察された。結晶の外形から正確な方向は決定できていないものの、構造転移の伝搬は結晶の100面内の方向への進行が早く、垂直方向への伝搬はゆるやかに進行する挙動が確認された。構造転移後のキラリティは単結晶X線構造解析により行ったが、単純な加熱による構造転移ではキラリティの偏りは観測されていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、初年度にコングロメレートに構造転移するラセミ化合物結晶を発見することができた。特に、構造転移挙動について詳細に調べたところ、外部刺激によって構造転移が誘発されることも見出しており、光渦や円偏光のような角運動量をもつ光との相互作用を調べるにふさわしい系を発見した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、領域内の共同研究を通じてフェノチアジン誘導体の構造転移について光との相互作用を調べるとともに構造転移後のキラリティの制御を試みる。また、発光性を示す化合物であることから円偏光発光特性の評価や、構造転移後の単結晶性を評価するため顕微CD法などの分析を試みる。
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Research Products
(14 results)