2023 Fiscal Year Annual Research Report
キラル分子イオンを組み込んだ内圏型超セラミックスにおける非反転対称性誘起物性開拓
Publicly Offered Research
Project Area | Supra-ceramics: Molecule-driven frontier of inorganic materials |
Project/Area Number |
23H04619
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
谷口 耕治 東京工業大学, 理学院, 教授 (30400427)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 有機・無機ハイブリッド化合物 / キラリティ / 内圏型セラミックス / CISS / インターカレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、内圏型超セラミックスの新規開発の為に、複数のキラル分子カチオンを用いて、ファンデルワールス型層状遷移金属化合物への電気化学的インターカレーションを試み、実際にインターカレート可能な分子を見出した。イオンをインターカレートしたファンデルワールス型層状遷移金属化合物では、粉末X線回折実験よりファンデルワールス層間が広がっていることが確認され、ラマン散乱で観測したフォノンピークのシフトや遷移金属のd電子状態からのXPSピークのシフトも観測された。また、電気化学的な還元により電子ドーピングがなされたことを反映し、電気伝導性が半導体から金属状態に変化していることが確認された。加えて、今回見出したキラル分子カチオンでは、ファンデルワールス層間の広がりが小さく抑えられることも見出されており、リチウムイオン電池電極のように、還元・酸化反応を通して、可逆的にキラル分子カチオンの挿入/引抜を繰り返すことが出来ることも見出された。さらに、キラル分子カチオンをインターカレートしたファンデルワールス型層状遷移金属化合物に対し、強磁性体のCoCr製のカンチレバーを取り付けたAFMを用いて電気伝導性の観測を行ったところ、カンチレバーの磁化方向に依存した電流が流れることが観測された。これは、キラル分子カチオンのインターカレーションを介して、系全体にキラリティが付与されてキラリティ誘起スピン選択性(CISS)が発現していることを示唆している。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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