2023 Fiscal Year Annual Research Report
多核金属錯体への導電性分子間隙導入による超セラミックス触媒の創製
Publicly Offered Research
Project Area | Supra-ceramics: Molecule-driven frontier of inorganic materials |
Project/Area Number |
23H04628
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
近藤 美欧 東京工業大学, 理学院, 教授 (20619168)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 錯体化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
エネルギー・環境問題の解決に向け人工光合成が大きな注目を浴びている。人工光合成は、酸化/還元側の2つの小分子変換反応から構成され、この小分子変換反応に対する触媒の開発が人工光合成の達成に不可欠である。特に、高い活性・設計性を有する分子性触媒を実用化に有利な固体状態(不均一系)で活用することができれば、極めて有用な触媒材料の開発に繋がる。しかしながら、このような材料を開発する合理的な指針は得られていない。そこで本研究では、申請者のこれまでの研究に着想を得、多核金属錯体触媒の結晶に導電性分子間隙を導入した「内圏型超セラミックス材料」を開発し、分子性均一系触媒を固体状態で機能させるための学理を構築することを目的とした研究を展開することとした。 2023年度の研究においては、特に水の酸化反応に注目した。人工光合成反応において、水の4電子酸化反応(酸素発生反応)は、化学エネルギー源を生成する上で必要なプロトンと電子を供給するための重要な反応である。天然の光合成では、(ⅰ)多核構造を持った触媒中心と(ⅱ)活性中心周りの電荷輸送サイトが組み合わさることで酸素発生反応を効率化することが知られている。そこで電気化学的酸化によって二量化し、電荷輸送サイトを形成するカルバゾール骨格を組み込んだ新規鉄5核錯体Fe5-PCzを設計・合成し、Fe5-PCzを電解重合することで、固体化することを試みた。その結果、本戦略に基づき構築された触媒材料が、高い触媒活性ならびに耐久性を有することが判明した。加えて、本触媒系の活性を他の関連する鉄触媒系と比較したところ、触媒回転数ならびに触媒回転頻度が最も高いことが示された。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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