2023 Fiscal Year Annual Research Report
広域-局所脳動態イメージングのための汎用的技術基盤の開発
Publicly Offered Research
Project Area | Deciphering and Manipulating Brain Dynamics for Emergence of Behaviour Change in Multidimensional Biology |
Project/Area Number |
23H04672
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
三國 貴康 新潟大学, 脳研究所, 教授 (90786477)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
マウスなどの動物において、脳の広域-局所の光学的イメージングは広域脳動態と局所脳動態の相互作用を理解する上で非常に有用であるが、広域観察のために頭蓋骨の大半を切除する従来の方法では動物への侵襲が大きすぎる問題がある。そこで本研究では、頭蓋骨を除去することなく低侵襲に脳内をイメージングするための技術を開発し、さらに、高感度にシナプス活動や分子動態をイメージングするためのプローブ群を開発することを目的とする。2023年度はまず、低侵襲で生体脳内の高精度イメージングを行うための対物レンズ下包埋試薬の開発を行った。網羅的なケミカルプロファイリング・スクリーニングによりリストアップした「タンパク質に対して水和活性の高い低毒性化合物」と「イメージングに有利な有機溶剤」を融合することで、低侵襲のイメージング試薬を開発した。開発したイメージング試薬を用いて、マウス脳内の2光子ライブイメージングを行い、イメージングのクオリティーの評価を行った。その結果、イメージングのクオリティーは今後の実用に向けて有望であった。また、これまでに申請者が開発した生体脳内ゲノム編集・分子標識技術SLENDRおよびvSLENDR (Mikuni et al., Cell 2016; Nishiyama*, Mikuni* et al., Neuron 2017)を駆使して、樹状突起スパインでの神経活動を高感度かつ高S/N比でイメージングするためのスパインカルシウムセンサーや、高感度分子プローブの開発を行い、こちらも有望な結果が出てきている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
低侵襲イメージングのための技術開発が、予定よりも順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、昨年度に引き続き、低侵襲に脳内をイメージングするための技術を開発し、さらに、高感度にシナプス活動や分子動態をイメージングするためのプローブ群を開発することをさらに進める。マウスの脳内の低侵襲イメージング技術の完成度を上げ、開発したプローブ群と組み合わせることで、生体脳内の広域-局所脳動態を低侵襲かつ高解像度に観察するための汎用的な技術基盤の確立を目指す。
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[Presentation] 哺乳類脳における内在タンパク質の単一細胞・時空間・定量的マッピング法の開発2023
Author(s)
内ヶ島 基政, 井口 理沙, クーマー プラティック, 劉 シンイ, 阿部 学, 野住 素広, 五十嵐 道弘, 﨑村 建司, 備瀬 竜馬, レイビス ルーク, 三國 貴康
Organizer
第46回日本神経科学学会