2023 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of Neural Crest Emergence Mechanism by in vitro Neural Tube Reconstruction
Publicly Offered Research
Project Area | Mechanical self-transformation of living systems |
Project/Area Number |
23H04723
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
萩原 将也 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 理研白眉研究チームリーダー (00705056)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 脊髄オルガノイド / 背腹軸 / 脊索 / 濃度勾配 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに我々が構築した、因子濃度勾配を印加するGradient-in-a-CUBEを改良し、今年度は背腹軸を有する神経管の構築を進めた。まず、ポリカーボネードのデバイスに脊索からのSHHのシグナルを模倣するため、数百ミクロンメートルのスリットを切削で作製し、デバイス上に播種した細胞とともに90度回転して流体チップ内に挿入することによりSHHとBMPの勾配が細胞に暴露できるチップを構築した。 デバイス上にフォトリソグラフィーで作製したPDMS膜を配置することで、細胞播種領域を制御可能できる。さらにプラズマ処理を行うことでマトリゲルとデバイスの接着力を上げたのちに細胞を播種することで、スリット上に設計通りの幅で細胞を播種し、分化誘導を行うことができる。これにより、スリットからの因子濃度勾i配に加え、細胞播種領域におけるメカニカルストレス分布を制御することができる。この細胞集団の幅や幾何形状を変えることで、神経分化培地に暴露後の形態が大きく異なることからも、細胞の層における境界条件がメカノケミカルフィードバックに影響してることが分かる。 本デバイスを用いて、SHHのアゴイストであるSAGの勾配をデバイス上に播種し、神経前駆細胞への誘導後のiPS細胞に暴露し7日間が培養を続け、管状に成長した組織にPAX6の局在を確認することができた。デバイス側の最適化はほぼ完了したので、来年度は分化誘導の最適化を進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題を達成する上で、エンジニアリングサイドの最適化として、デバイスやスリット幅、ファブリケーションプロセスの最適化と、細胞培養サイドの最適化として、成長因子濃度・タイミング、期間といった培養プロトコル最適化を達成することが必須である。当該年度はエンジニアリングサイドの最適化がほぼ完了し、現在細胞培養の最適化を進めている段階であり、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
背腹軸を有するための培地濃度・タイミングの最適化を継続して進める。背腹軸それぞれに必要な因子が異なるため、組合せ数が飛躍的に増え、因子暴露期間も考慮すると相当数の実験が求められる。安定したN数を賄うためにも、デバイスによる実験の再現性や成功率が向上するよう、引き続きデバイス側の改善も同時並行で行う。 デバイスやプロセスの標準化作業もできつつあるため、スループットを上げるために自動化の方向性も考慮して研究を進める。 NC細胞のライブイメージングを行うため、最適化完了後はSOX10レポーター導入細胞を用いて、タイムラプス計測を行うことで、NC細胞の時空間的な出現条件の解析を進める。
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